時間の使い方を決めることは、自分の人生を決めること

──尾石さんを通して、そういった悩みを自分ごと化されている方も多そうですよね。からまりをほぐすためにも“自分”を見直すことも大切かと思いますが、著書では見直すタイミングは30・35…といった、“5歳刻み”がいいと書かれていましたよね。尾石さんは5年前と比べて、ご自身が変化したことはありますか。

尾石:いちばん大きな変化は、「時間の裁量権」を自分で握れるようになったことですかね。朝5時から働いたり、少しのあき時間を利用して家事をこなしたり、ときにはイベントに合わせて時間を臨機応変にスライドさせたり…。

2020年に退職し、今のスタイルで働くようになったことで、会社員時代のような分刻みの生活ではなくなりました。ただ、仕事・家事・育児と多くのタスクをこなしていた5年前を振り返ると、忙しくても「生きている、充実している」という感覚まではなかった。そう考えると、自分で時間の使い方を決めることは、自分がどう生きるかを決めることにもつながるのでしょうね。

──では、時間の裁量権をもつためにはどうすればいいのでしょうか?

尾石:仕事も、親業も、他者とのコミュニケーションもどれも簡単にはやめられません。だからこそ、自分に使える時間がなく、理想的なスケジュールが浮かばない人も多いんですよね。

もし、今忙しさにからまっている人は、細々とした予定が“だれのため”のものなのか仕分けするところから始めてみてください。自分の時間が取れていないようなら、まずは1日のうち15分だけでも “自分のためだけの時間”に書き換えてみる。自分だけの時間割を立てて、そこに向かって調整することで、少しずつ時間の使い方が上手くなるはずです。

からまる毎日のほぐし方

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