固定化された知識や情報をアップデート
すべての画像を見る(全6枚)積み重ねてきた植物の知識と経験を再インストール中。「アスパラガスはユリ科と覚えたのに、いまはキジカクシ科になりました。牧野富太郎の植物図鑑で覚えた私の知識はもう古いのです。ときどき、パソコンで調べ直しているのですが、70歳を過ぎるとすぐに忘れてしまう…。だから、頭に入っていた分類表をさっぱりリセット。庭に咲く植物と食べる野菜ぐらいの範囲をパソコンで調べてアップデートすることにしました」
リセットずみの頭の中は、新しい知識の受け入れ態勢が万全です。「知識をリセットすると謙虚になるし、たくさんの発見があります」
料理はますますシンプルに、味つけも軽やかに
年を重ねて変わったのは、日々の料理を夫がつくるようになったこと。石黒さんはそのサポートと、お菓子づくりの担当です。ある日出てきたのは、ゆでたジャガイモを皿に並べて、フチをカリッと焼いた半熟目玉焼きをのっけたとてもシンプルな料理。テーブルで塩・こしょう、パプリカパウダーをふって味つけします。「60代だったら、これにベーコンを添えたり、チーズをたしたりしていたかもしれない。でも、70代にはちょうどいい」
調味料で酒やみりんを使わなくなるなど、どんどんシンプルに塩分控えめに、石黒さんの家の献立はアップデートされています。
石黒さんを始め、大庭英子さん、中野翠さん、山本ふみこさんなど、魅力的な暮らしが詰まった別冊天然生活『歳を重ねて楽しむ暮らしvol.3』(扶桑社刊)は発売中です。