谷岡慎一アナウンサーが語るペア、アイスダンスの見どころ
すべての画像を見る(全15枚)ペアの三浦璃来・木原龍一組は今季振付師を変えて、今までのイメージとは違うかっこいい、ワンランク上の大人な感じのプログラムを見せてくれています。彼らを追いかける面々も楽しみですが、その追随を許さないような、世界で勝つということはこういう演技なんだ! というのを若い選手たちにも見せつけるような演技をしてほしいと期待します。それが後進たちの底上げにもなってくるのかなと思いますので。
長岡柚奈・森口澄士組は急遽出場したフィンランディア杯でフリーでは3位。西日本選手権、NHK杯と3週連続でタイトなスケジュールでも結果を出しているのはすごいです。ツイストリフトが3回転になれば、点数ももっと上がるでしょうし、あとはリフトの終わりで男性の首に女性の脚をかけて回転する技は、かなだい(村元・高橋組)のアイスダンスを見て発想を得たそうで、あれも大きな注目ポイントですね。
ジュニアからは清水咲衣・本田ルーカス剛史組が推薦出場します。全日本ジュニアではSPの課題であるバックアウトのデススパイラルを、フリーでも(得点にならないのに)あえて試していました。おそらく不安を抱えていて、1回でも多く試したいという意図があったのではないかと。全日本でもバックアウトをおそらく入れてくると思いますが、そこでどれくらいレベルを取れるのかがひとつのポイントですね。
●アイスダンスは吉田&森田、田中&西山の2トップに注目
アイスダンスは吉田唄菜・森田真沙也組と、田中梓沙・西山真瑚組の2トップに注目です。吉田・森田組のFD『ロミオとジュリエット』は、全部の振りに意味があってストーリーを描いているそうです。皆さんストーリーはご存じだと思いますが、復習してご覧になると、ここはもしかしてこういうシーンかも? と想像しながら楽しめると思います。彼らは場面に合わせた表情や動きなど、音楽を自分たちのものにするのがとても上手なペアですね。
田中・西山組は昨年の「スーパーマリオ」がコミカルで個人的に大好きでしたが、今年のFDは『エリーゼのために』。だれもが聞いたことのあるメロディーなので、すっと入れます。田中選手の怪我の影響で、満足にしっかり滑り込めているシーズンではないとは思いますが、すごく表情豊かな2人なので、そのあたりも見ていただきたいですね。
男子シングル、女子シングルが注目され、ペアもりくりゅうで注目を集めていますが、僕はいちばんおもしろいのはアイスダンスだと思っていて、アイスダンスも忘れずに応援して欲しいです(笑)。演技のすばらしさはもちろん、技術的にもターンひとつとっても身体の使い方がシングルとは違っていて本当にすごいので、それを上手に解説の宮本賢二先生と伝えられたらと思っています。
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