寒くなり、ゆっくりとお風呂につかって疲れをとりたい人も多いはず。ところが、一歩間違うとそんなリラックスタイムが命の危険につながることも。温度差によって起きる「ヒートショック」への対策を知って、安全にお風呂を楽しみましょう。『まいにち血液サラサラみそ汁』(扶桑社刊)の監修者で、栗原クリニック東京・日本橋の院長を務める栗原毅先生に伺いました。
すべての画像を見る(全13枚)血圧の急激な変動で起きる「ヒートショック」とは?
ヒートショックとは、冬場に暖房の効いた部屋から脱衣所に移動し、浴槽に入るときなどに起こります。脱衣所の寒さに対応するため血圧が上昇したあと、浴槽に入って体が温まると血圧が下降すると、血圧が急に上下し、心筋梗塞や脳出血など、心臓や血管の疾患が起こるのです。
とくに10℃以上の温度差がある場所は、ヒートショックの危険があると言われているため、急な温度差のある環境をつくらないよう、下記のような対策をしましょう。
・脱衣所や浴室をあらかじめ温めておく
・38~40℃のぬるめのお湯にする
・浴槽にはゆっくりとつかる
・浴槽からはゆっくりと上がる
入浴前に実践したい!タオルグリップ法
安全な入浴は、体の表面だけでなく、血液をきれいに保つうえで欠かせません。ぬるめのお湯にゆっくりとつかることで、血流とともに全身が温まり、白血球の働きも活発になって免疫力が上がります。
また、入浴前にできる「タオルグリップ法」もおすすめ。身近にあるフェイスタオルを丸めて手に持ち、「握る」「ゆるめる」を繰り返すことで、血流を簡単によくすることができる運動です。ぜひ、入浴前の習慣にしましょう。
●タオルグリップ法・やりかた
(1) フェイスタオルを筒状に丸める
(2) タオルを3割程度の力で握った状態で、2分間キープする。2分経過したら、握る力をゆるめて1分間休む。この「握る、ゆるめる」を2セット繰り返す。
(3) 反対の手にフェイスタオルを持ち替えて、(2)を行う。
血液がドロドロになるとどんな症状があるの?
血管は、心臓から送り出された血液を運び、酸素や栄養素を体のすみずみまで運ぶ重要な役割があります。ところが、加齢や食生活の乱れ、運動不足などにより血液がドロドロになると、高血圧が続いて血管の壁が硬くなり、血管の内壁に傷がつきやすくなります。この傷に、加齢や生活習慣病などによりできたプラーク(コレステロールなどの塊)が付着し、血管内を狭めて血流が悪くなるのです。
このように、血液がドロドロになると、以下を発症しやすくなります。
・動脈硬化
・脂質異常症
・糖尿病
・脳梗塞・脳出血などの脳血管の病気
・心筋梗塞
・がん
・婦人科系の病気
・認知症