年末の大掃除を手放す方法を紹介します。石川県の築35年の賃貸マンションで夫婦ふたりで暮らす深尾双葉さん(40歳)は、2年前に大掃除をやめました。12月は仕事が忙しく、掃除片づけが中途半端になったまま義実家へ帰ることが増えていたそう。「複雑な気持ちで新年を迎えていて…。それならばいっそのこと大掃除を手放してしまおうと思ったことがきっかけです」と深尾さん。大掃除を手放すため、代わりに普段していることをお聞きしました。

部屋で過ごす深尾さん
12月は大掃除まで手がまわらないほど忙しいものです
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1:掃除をラクにするためにものは少なめを意識する

ものが少ない和室
がらんとした和室は清々しく掃除の手間もかかりません

掃除の負担を減らすために日頃からものが増えすぎないよう心がけています。新しく手に入れたら手元にあるものを1つ手放す。常に少ない状態をキープすることで、毎日の掃除にプラスして、手がまわらなかった場所にも取りかかることのできる心と時間の余裕が生まれました。

また、ものの多い部屋は視覚情報が多いためか汚れが見つけづらいという実感もありました。まずは一度、持ち物を減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。

2:暖かい季節のうちに頑固な油汚れは取っておく

台所掃除をする深尾さん
油汚れは早めに取っておくと後々、ラクになります

毎年厳しい冬を迎える北陸。室内はぐっと冷え込むため、油汚れも寒さで固まります。私は汚れの緩む暖かい季節のうちに手の届きにくい場所の掃除はすませておきます。

寒くなると体も思うように動かなくなるため、動きやすい9、10月頃から少しずつ掃除を進めるようにしています。年末までに再び汚れがついてしまうかもしれませんが、なにもしなかった年よりはずっと清々しい気持ちで新年を迎えられています。

3:ふき掃除がなによりもいちばん効果的

水の入ったバケツとウエス
使う道具はバケツとウエスのみ、洗剤は使いません

すべての掃除のなかでふき掃除が原点にして頂点。いちばんの効果が感じられると気がついたのは最近のこと。私は10分からでもよいので床を中心に毎日水ぶきを行っています。

使うものはバケツとウエスのみ。とくに洗剤などは使用していません。参考にしているのは以前に一度たずねたことのある永平寺の掃除風景。パワーを発散させるかのように力一杯に無心でふき清める雲水の姿。みがかれた回廊はちりひとつ落ちておらず、静謐(せいひつ)な美しさを湛えていました。

空気すらも変えるふき掃除を習慣にして、気持ちのよい空間をキープしています。