エッセイストの石黒智子さんの「終活」は、とても軽やかで晴れ晴れ。これを機会に、持ちものも、頭の中にあるあれこれも、上手にリセット。一気に身軽になった石黒さんは、初めての小説を書くという、これからの人生の新しい楽しみも見つけました。今回は、そんな「終活」で始めた6つのリセットについてお聞きしました。
すべての画像を見る(全5枚)1:まだまだ片づけるものはある。改めて持ちものの見直し
終活をしようというきっかけのひとつになったのが納戸の整理です。家を見渡し、十分にものは整理できているだろうと思いつつも、「まずは納戸を見直してみよう」とチェック。
「海外旅行用のキャリーバッグを出したら、ファスナーが壊れたままでした。なんで、今日まで捨てなかったのだろう。これが私の生き方だったの? と呆れてしまいました。最後に使ってから17年もしまいっ放しだったのです」
すぐに粗大ごみへ。そうして大物をもう一点処分したところで、「『これは終活』と、意識をもって臨むべきだ」と自覚したのです。
2:家電が進化したら、暮らしも楽しく進化しました
気に入ったものを何十年も使いつづける石黒さんですが、最近、電子レンジを新調。
「庫内灯がきれてしまったのです。そのままでも使えないことはないけれど23年も使ったのだから、この機会に買い替えようと。いざ探してみたら、台所にぴったりのデザインで、機能も必要十分なものがすぐに見つかりました。温度センサーやプログラムの進化に驚きです」
おかげで、料理のレパートリーが広がり、食卓が楽しくなったそう。「便利でラクになったり、できることが増えたり。まだ使えると思う家電の買い替えも、終活のひとつですね」
3:明日のことはわからないから、あるお金で生きればいい
老後のことで、世間的に一番「心配」とされるのがお金のこと。でも、石黒さんはいたっておおらかです。いくら貯金があると安心、月にいくら収入が欲しい、などは考えないといいます。
「あればあるなりの、なければないなりの使い方をすればいい、っていう考え方なんです」。そのためには健康であることが前提。健康に暮らせるために、食事に気をつけ、少しでも不調を感じたら休むようにしています。
「もともと健康で、お産以外で病院に行ったことがないほど。健康のことで過度に不安に思ったり心配したりするのは心身によくないですよね」