年末になり、大掃除や片づけを予定している人も多いのではないでしょうか? 50代60代の女性の生き方についての著書を多く持つ、トップブロガーの中道あんさんはこの時季、掃除よりも「ものを手放すこと」を優先しているそう。新しい年を迎える準備として、中道さんが行っていることを語ってもらいました。

中道あん
中道あんさん
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年末、掃除よりもまず不要なものを手放そう

12月に入ると、「大掃除」の文字がちらほら目に入るようになります。あちこちで特集される掃除グッズや、効率よく汚れを落とすテクニック。掃除をがんばるのは気持ちがいいものですが、ここ数年、私は大掃除をしていません。日々、こまめに掃除をしているおかげで、そこまで汚れは気にならないからです。

私は、掃除よりも片づけに重点を置いています。

掃除と片づけは似ているようで違います。掃除は、家やものについたほこりや汚れを落とすこと。片づけは、不要なものを取り除き、使いやすい場所に定位置を決めることです。つまり、片づいていなければ、掃除に手間も時間もかかるうえに、整っているようには見えません。

掃除よりも「いらないものを処分する」ことに重点を置くほうが部屋はすっきりします。

意外と使わないままのものは家にある

私がものを処分しようと思ったきっかけは、キッチンの天板のうえに置いたままの油ポットでした。ステンレス製なので手入れもしやすく、ピカピカなのですが、揚げ物料理をする機会が減ってしまい、ずっと放置してありました。それを見て、なんだかモヤッとしたのです。子どもが自立し、自分も新しい人生を始めたのに、ものだけが過去のまま。

家じゅうを見渡してみると、役目を終えたものたちは輝きを失っているように見えました。使わない油ポットをいくら磨いてキレイにしたところですっきりしないのです。そこで、まずは「手放す」ことを大掃除の第一歩にすることにしました。

引き出しやクローゼットを開けて、手に取ったものをひとつひとつ自問します。「これは私の生活に必要?」と。

たとえば、何年も袖を通していない洋服や、いつか使うかもと取っておいた古い書類。必要だと思っていたものが、じつは今の私にはもう役目を終えていることに気づきます。

ものを処分すると、心に余白が生まれる

不思議なことに、ものを処分して部屋の中に空間が生まれると、心にも余白ができるように感じます。その余白が、新しいアイデアや希望を受け入れるスペースになるのです。

ある年、思いきってたくさんのものを手放して迎えた正月は、驚くほど清々しい気分でした。すっきりとした家の中にいると、今年やりたいことや目指したい未来が自然と浮かんできました。それはただ「掃除をした」だけでは得られなかった感覚でした。

ものを処分することは、過去を整理する作業でもあります。たくさんのものに囲まれていると、何が本当に大切かを見失いがちです。でも、手放してみると、大切なものが自然と浮かび上がります。