令和7年度から子ども3人以上の世帯の学生について、大学等(※1)の授業料・入学金を、所得制限を設けずに国が定める一定額まで無償化することが決定。そうなると国公立と私立のどちらに進学した方がおトクなのでしょうか。ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんに伺いました。

国公立と私立のどちらに進学した方がおトク?
国公立と私立のどちらに進学した方がおトク?
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結論:子ども3人以上の世帯なら支援金で授業料がほぼまかなえるので国公立の方がおトク

大学の入学金や授業料の支援はこれまでもありましたが、世帯年収が上がると支援が逓減(ていげん)し、世帯年収が約600万円(目安)以上になると、支援が受けられませんでした。それが、令和7年度からは、子ども3人以上の世帯は、所得に関係なく支援を上限まで受けられるようになります(※2)。

●令和7年度以降多子世帯における「国公立と私立大学の授業料支援の上限額」

国公立と私立の授業料支援の上限額

授業料に対する支援の上限は、国公立が約54万円、私立が約70万円(上表)。一見、私立の方がおトクなようですが、実際には、私立の方が自己負担分が多くなります。なぜなら、国公立の授業料は支援でほぼまかなえますが、私立の授業料(施設費などを含む)は支援額よりも1年間当たり40~60万円程度高く、卒業まで毎年、その差額が自己負担となるからです。よって、自己負担分がほとんどない国公立の方がおトクということに。

ただし、「子ども3人以上世帯」というのは、親の扶養に入っている子どもが3人以上ということ。第1子が大学を卒業して社会人となり、親の扶養から外れ、なおかつ世帯年収が約600万円を超えている場合、第2、3子は支援を受けることができないので注意が必要です(※3)。

※1 大学、短期大学、高等専門学校、専門学校

※2 現金支給ではなく、各学校の授業料等が減額されます

※3 世帯年収約600万円(目安)未満の場合は、現行どおり年収に応じて支援額が変わります

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