「生石高原」で学んださまざまなこと
すべての画像を見る(全15枚)カモシカと出会ってから、さらに山に上り生石高原に到着した。ススキが絶景の場所で、たしかに見頃だが、人の多さにまずびっくりした。ススキのなかに歩道がいくつかあって、景色がきれいなところは人が多いので、王道から外れた人のいない道を散歩する。
生石高原では皆がカメラ片手に、見晴らしのいい壮観な景色を楽しんでいる。ウェディングフォトを撮っている人なんかもいた。
ゆったりとしたすてきな時間が流れるなか、我々は早歩きをやめない。犬は慌ただしく地面のにおいをかぎ、リードを持つお母さんをグイグイ引っ張って猛進。私は足の速いふたりを追いかけるのに必死。皆がススキの絶景を見上げるなか、足元を見下ろす唯一の家族。
ひとしきりススキの間を早歩きをして駐車場に出たら落ち着いた。麓にカモシカがいるくらいだからきっと野生動物のにおいがして気になったのだろう。
なでるお母さんと目を細める犬を見ていたら、外出先でも自宅でもやること変わらんなぁと思う。
わが家がおでかけする場所を選ぶときには【他人との距離が遠い】、そして【野生動物のにおいがしない】の二点を押さえなければいけないということを生石高原から学んだ。
今までは狙わずして、そんな場所に出かけていたから分かっていなかった。海が多かったからかもしれん。足早に歩いただけだったが、それでもおもしろかったし来てよかった。
お出かけ先といい歯といい、自分の無知を痛感してばかりだ。歯が折れた当日まず診てもらった病院で、歯科の専門医がいる動物病院を紹介してもらい、後日予約を取って歯科の先生に診てもらった。それがセカンドオピニオン先である。懇切丁寧な対応で、一から説明をしてくれて、私と母のどんな質問にも答えてくれた。
先生がまず言ったのは、犬の歯は人間の歯よりも弱いということ。誤解している人も多いが、かむ力が強いだけで歯は弱いそうだ。
おやつでも硬いものはかまないほうがいいし、ゴムボールとか綿のオモチャはいいがテニスボールはよくない。硬さの基準は女性の力でしなるか、しならないか。しならないものはおやつもオモチャも与えないほうが歯にはいいらしい。
話を聞きながら、日常上で犬の歯を痛めていた習慣、光景がよぎった。「犬ごめんよ」と心底思う。思い続けている。抜歯の手術の予約を入れ、病院をあとにした。直帰せず、近くの公園で散歩した。診察後も散歩意欲や食欲があってうれしいし、ありがたいし、頼もしいよ。
ひとまずは抜歯手術まで、そして手術後も、ずっとずっと体調よく快便快眠で過ごせるように気をつける。
ちなみに生石高原に行った次の日、母と犬とこたつを囲んでいるときにInstagramで#生石高原で検索した。キレイなポートレートや風景写真がずらりと表示され、下ばかり見ていた我々には初見の景色で「同じ場所?」と大笑い。そして笑い声のまんなかで犬が眠る。