未来のイメージをしすぎないことも大切
すべての画像を見る(全2枚)―エッセイのタイトル『ポンコツ一家』に深い愛を感じます。家族を愛おしいと思うのはどんなときですか?
にしおかすみこさん(以下、にしおか):そうですね。外出する母と姉が2人、手をつないでいる姿を見ると、愛おしいなぁと思います。後ろから見ると、ちょっとした小山ともう少し大きい小山が並んでいるんですよ。そんな背中を見ながら後ろからついていくのは好きですね。あと、たまに姉につき合って母と私と姉と3人でトランプするんですが、姉と母はキャッキャ笑うんです。ただのババヌキでそこまで笑う? と思うんですけど、「なんかいいな」「このまま続けばいいのに」と思います。続くと困ることも多いんですけど(笑)。
―この先のことはどうイメージしていますか?
にしおか:将来を想像すると、どうなってもお先真っ暗。考えただけでヘトヘト。どうなるかわからない未来に疲れても仕方ないから、考えないようにしています。考えるのは「母と明日の朝ごはんを一緒に食べられたらいいな」くらいのことまでです。
―あまり考えすぎないことも大事なんですね。
にしおか:自分もポンコツだし、すべては抱えられない。だから、どうしても無理になったら、家を出るのも選択肢のひとつとは思っています。母と姉は、たとえゴミ屋敷であろうと最後まで一緒に家にいたい人。2人を見ているのがつらかったら、私が離れればいいと思うんです。…介護サービス等にお世話になりながら、通いで見守るかなあとか、まだまだ模索中です。
―最後に、親の介護や実家の問題に直面している方にメッセージをお願いします。
にしおか:私も絶賛迷子中なので、教えていただきたい側ですが、とにかく自分を大事にすること。どんな立場や状況でも、「自分ファースト」「自分びいき」でいいと思います。