写真を楽しむ人が増えています。被写体をより魅力的に見せるにはどうしたらいいのかと、悩んでいる方もいるのでは。
「そんなときは、光を味方につけると、写真がハッとするくらい印象的に変わりますよ」と語るのは、写真教室を主宰する西村りつ子さん。
今回は、同じ被写体を5種類の光で撮り比べ、どんな違いがあるのかを教えてもらいました。
印象に残る写真の撮り方。ポイントは光の向き
●(1)「順光」の場合
太陽の光を、被写体の正面から当てている状態です。
順光で撮ると被写体がもつ色がはっきりと出やすいので、作品や景色の色味を伝えたいときは順光で撮影するといいでしょう。
ただ、正面から光が当たっているので、立体感が出にくくのっぺりと写ってしまうデメリットもあります。
●(2)「半順光」の場合
太陽の光を、被写体の斜め前から当てている状態です。
順光で撮ったときと比べ、色は少し白っぽく写っていますが、斜めからの光の力で被写体に立体感がプラスされています。
光だけでなく影の部分を作り出すことが、立体感を生むポイントです。
●(3)「サイド光」の場合
太陽の光を、被写体の真横から当てている状態です。
順光側の光と比べ、背景がぐっと明るく変わったのがわかります。
全体的に写真が明るくなり、さわやかな印象になりましたね。
サイド光で撮ると、陰影を際立たせた格好いい雰囲気も出すことができます。
●(4)「半逆光」の場合
太陽の光を、被写体の斜め後ろから当てている状態になります。
逆光側で撮ると、写真はどうしても暗くなりがちなので、明るさを上げて撮ることがポイントです。
後ろから光がふんわりと被写体に回るので、優しい雰囲気に撮ることができます。
●(5)「逆光」の場合
太陽の光を、被写体の真後ろから当てている状態です。
真後ろから光が当たることで、正面が暗くなりますが、ぐっと明るさを上げて撮ることで、背景も5枚のなかではいちばん明るくなり、光に包まれているような幻想的な雰囲気に撮ることができます。
被写体に当てる光の向きを変えるだけで、おもしろいくらいに写真が変わるのがわかったのではないでしょうか。
今回の撮り比べ、ポイントとして主役の被写体が同じ明るさになるよう、露出補正しています。
そうすると、光の向きで、背景の明るさや雰囲気がどのように変わるのかが、よくわかると思います。
主役の被写体をどう見せたいのかによって、どの光を選ぶのか決めるといいですね。
●伝えたい雰囲気で光を選びましょう
花や実など、自然がもつ色味をしっかり伝えたかったら「順光」で。
格好いい雰囲気を撮りたかったら「サイド光」で。
優しい雰囲気に撮りたかったら「半逆光」で。
光が読めるようになると、カメラライフがまた一段と楽しくなりますよ。お試しください。