「人のため」が「自分のため」であることも

大竹しのぶさん
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子育てや仕事がひと段落したあと、「自分のため」に、なにをすべきか悩む人も多いもの。読者へのアドバイスを伺うと、「アドバイスなんて…」と言いながらも、こんな話をしてくれました。

「福祉施設で働いていた妹が、定年を機に、今までよりラクな職場に移ったそうなんです。ところが、やっぱりものたりないなと、週に1日だけ施設で働こうかなと話していました。自分の喜びは、だれかのために働くことに尽きるのかもしれない、と気づいたと聞き、『なるほどなあ』と思いました。私の母もそういう人でしたから。夫のため、子のため、孫のため…と、ずっと一所懸命家族の世話をしていて。

でも、だれかのために生きていたからといって、その人の人生がなかったことになるわけではないと思うんです。『人のため』が、じつは『自分のため』なのかもしれない。母の人生も、まぎれもなく母自身の人生なんですよね。やりたいことがあれば、挑戦した方がいいけれど、『なにかしなきゃ』と縛られず、自由に生きるのがいいんじゃないでしょうか」

丁寧に言葉を選びながら思いを語る大竹さんから、日一日を大切に送る姿が垣間見えました。

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