街をあげて運動意識が高い
すべての画像を見る(全7枚)週末ごとに開催されるスポーツ祭やマラソン大会が多く、電車やバスでもゼッケンをつけたプレイヤーを頻繁に見かます。いずれの催しもインターネット上からだれもが気軽に参加できる設定で、友達同士、家族同士、ベビーカーを押しながらお祭りのように楽しんでいる姿も印象的です。
また市内にはダンスやピラティスの教室、ビル内に設置されたスポーツジムや、大型プール・テニスコートが隣接する施設もあります。いつも通りから見えるスポーツクラブのランニングマシーンは、会社帰りに立ち寄る人たちで常に満員です。
ジムの代金は1か月およそ5000円前後で通い放題(利用時間帯・曜日により多少違いがあります)。ヨガマットと水筒を抱えて歩いている人もよく見かけ、通いやすい設定だからこそ運動意識が高まり、無理なく継続できるように思えます。
太陽を浴びる散歩が大好き
スペインのマドリッド市は街の6割は緑地帯となり、のんびりとそぞろ歩く「散歩」はスペイン人の日課です。用事がなくても陽射しがあれば散歩、勉強の前に散歩、食事する前に散歩、帰宅の前に散歩。
どの通りにも自由に座れるベンチが並び、休憩もお喋りもしやすい環境です。高齢者の方々が介護者に付き添われゆったりと散歩している姿もよくみかけます。太陽に当たり風に吹かれ、自然の空気を全身で感じる散歩時間こそ、健康の原点なのかもしれません。
人と人の繋がりが深い
スペイン人は家族や友人はもちろんのこと、今日知り合った人たちともあたたかなハグを交わし、人と人の繋がりがとても深い国民性です。毎週末のように仲間と集まり絆を深めることがなによりも大切で、だれもがその時間を惜しみません。
そしてなにを発言しても聞く耳をもたれ、違う意見でも受け入れられ、お互いの自由を認め合うマインド。「濃厚な人間関係は寿命にも関係する」と言われるように、「絆」が深いスペイン人の生活は心身の健康に直結しているように思います。
「生きることは楽しむこと」と思っているスペイン人。仕事はもちろんきちんとするけど、なによりもプライベートの時間がいちばん大切な様子。こんな線引きがしっかりされているからこそ、健康な気持ちと健康な身体が保てるのかもしれません。
2040年にはスペインの平均年齢が85.8歳になると言われ、世界一位の長寿国となると想定されています。おいしいものを食べて、身体を動かして、太陽を浴びて、仲間とたくさん話をする…。なにひとつ特別なことではないのにいつの間にか忘れてしまっていること、そのすべてがスペインには残っているから健康王国なのかもしれません。