健康長寿県として知られる信州の食文化には、体を健やかに保つ知恵があります。それらを取り入れたレシピを広く紹介している料理研究家の横山タカ子さんに、家庭でも簡単にできる、木の実を使った調味料のつくり方を教えてもらいました。ここでは、『四季を味わう 私の「木の実」料理』(扶桑社刊)より、山椒のしょうゆ漬けとオイル漬けを紹介します。
すべての画像を見る(全5枚)長年かけてたどり着いた、山椒のシンプル手間なしレシピ
「友人が毎年山椒をどっさりと送ってくれるのを楽しみに、旬を逃すまいと漬け込みます」と話す、料理研究家の横山タカ子さん。
昔は何度もゆでこぼしたり、水にさらしてみたりして、アクを抜いていたという山椒。「もっと手間を省いて、簡単に」とあれこれ試してみると、いつしか「アクもまたおいしさ」と気づくように。
「ずいぶん遠回りをしていたけれど、そこからレシピがうんとシンプルになりました。私はここでご紹介しているレシピで、もう何年もおいしくいただいています」(横山さん、以下同)
山椒の香り豊かな「和のスパイス調味料」
とくに山椒は、漬けた実よりも味が移った調味料がお楽しみ。さまざまな調味料と組み合わせて仕込めば、煮物やソテー、刺身に冷奴、チャーハンの隠し味にもおいしい和のスパイス調味料に。
「“木の実味”の調味料は、格別のおいしさ。お店でもなかなか買えないような、あなただけの一品ができ上がります」
●山椒のしょうゆ漬け
いつものしょうゆが驚きの調味料に。「冷奴や焼き魚、肉じゃがにも気分で使っています」。
【材料(つくりやすい分量)】
- 山椒 200g
- しょうゆ 250mL
【つくり方】
洗って水けをふき取った山椒を清潔な容器に入れ、しょうゆを注ぐ。
食べごろ:1か月後から
保存期間:冷蔵庫で約半年
●山椒のオイル漬け
山椒の豊かな香りが、しっかりとオイルに移ります。「カルパッチョにかけるほか、パスタにも合いますよ」。
【材料(つくりやすい分量)】
- 山椒 150g
- 好みの油 120mL
【つくり方】
洗って水けをふき取った山椒を清潔な容器に入れ、上から好みの油を注ぐ。
食べごろ:1か月後から
保存期間:冷蔵庫で約半年
※ つくりおきする際は、清潔な保存容器に入れて保存してください。保存状態によっては傷みやすくなることもあるので、保存期間内であっても早めに食べるようにしましょう
横山さんの40余年にわたる研究で育まれた、山椒をはじめ、あんず、いちじく、栗、くるみ、りんご、ゆずなど、33種の“木の実”簡単保存レシピと、豊かな展開料理80品を掲載した『四季を味わう 私の「木の実」料理』(扶桑社刊)。旬の果物や、直売所で販売されている、気になる木の実の活用術をまとめた一冊です。