使わずに眠らせておくことが結局いちばんもったいない

引き出物
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服の次に片づけが大変だったのは、引き出物です。

父は社交的で友人も親戚も多く、結婚式に参列する機会が頻繁にあり、引き出物として食器や置物をよくいただいて帰ってきました。それを日常生活で使えば問題ないのですが、「キレイだから来客用に取っておこう」と箱に入れたまま保管し、そのうち本人も存在を忘れてしまうということが多々あったのです。

積み上げられて埃をかぶっている引き出物の中で、使えそうなものは実家の食器棚に入っている普段使いの食器と入れ替えて、それ以外は長男である弟に任せました。引き出物を整理しながら、「もっと早く箱から出していれば使う機会もいっぱいあったのに」と少し残念に感じたものです。もったいないと使わずに眠らせておくことが結局いちばんもったいないと思います。

処分したもの、取っておくもの

ほかにも、日用品や備蓄品を必要最小限まで減らしました。

キッチンにあるフライパンや鍋など同じ用途のものは1つに絞り、来客用の食器はほとんど処分。引き出しにたくさん入っていた消費期限切れの缶詰、乾物、瓶詰の調味料も全部捨てました。

古い百科事典がびっしり並んでいた背の高い本棚は、親戚がもらい受けたのですが、中身はそのまま山積みになって床に置きっぱなしなので、一時帰宅した父がつまずいたり転んだりしないように、今後はそれを処分していこうと思っています。

本格的に実家の片づけを始めて約5年。安全で快適な、父が少しでも安らげる家にしたいという気持ちで今までがんばってきました。

多くのものを処分していく中で、父の思い入れの強いものはきちんと残しておきたいと思い、父が自分で彫った火鉢や墨つぼ、大好きだった囲碁の碁石や卓上碁盤、畑仕事をしていたときに着ていた作業着、若かりし頃の父と母のツーショット写真や家族写真などは大切に飾ってあります。

私は実家の片づけを通して、これから先の自分の暮らしに活かせそうなことをいろいろと学びました。もっとも教訓になったのは、自分が経験した片づけの苦労を子どもたちにはさせたくないということです。将来の自分が快適に暮らすためにも、子どもたちに負担をかけないためにも、老前整理を進めていこうと決心したきっかけとなりました。

 

pocohahaさんの暮らしをつづった書籍『66歳、まずやってみる。人生を愉しむシンプル暮らし』(ponpoco著・扶桑社刊)では、pocohahaさんが50~60代で行った工夫を紹介。インテリア、料理、家事、ファッション、美容、実家の片づけ、人間関係など、生活全般について掲載しています。

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