ものを減らして、すっきり軽やかに暮らしたい。年を重ねて、そう考える人が増えています。そこで、リビングやキッチンの収納の工夫をご紹介。

語ってくれたのは、SNSでファッションやライフスタイルを発信している61歳の金子敦子さん。近著『ヤッホー!60歳』(扶桑社)でも触れているアイデアを参考に、快適な暮らしを実現しましょう。

常に目に入る場所にある棚は、間に合わせのものを買わない

棚には家族全員の本や書類などを収納。キッチンに近い左端には料理本を入れています。雑然としがちなものは、ぴったりサイ ズだった「無印良品」のトタンボックスやファイルボックスに。手づくりした木箱も重宝しています
棚には家族全員の本や書類などを収納。キッチンに近い左端には料理本を入れています。雑然としがちなものは、ぴったりサイズだった「無印良品」のトタンボックスやファイルボックスに。手づくりした木箱も重宝しています
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8年ほど前、増え続ける本や書類に困り果てて、リビングダイニングに棚を置くことにしました。ぴったりサイズでイメージに合うものを求めて、お店やネットを見ましたが、探せども探せども見つかりません。常に目に入る場所だし、ずっと使うものなので、間に合わせのもので妥協はできない。でも探している時間がもったいない。そこで、自分たちでつくることに。

サイズとデザインを考えて、「東急ハンズ」で合板を購入。木枠と棚板だけのシンプルなつくりですが、家族全員、一日がかりでつくりました。亜麻仁油を主成分にして配合された塗料「ワトコオイル」を何度も塗り重ねて、ヴィンテージのダイニングテーブルに近い、落ち着いた色合いに。自分で塗っているので、たとえはげても気軽に塗り直せます。

同じものを6台並べて、本や書類のほか、あらゆるものを収納したら、リビングダイニングがすっきり。さらにすっきり見せるために扉をつけようか迷いましたが、むずかしそうなので断念。でも、ものの出し入れがしやすくて気に入っています。箱やファイルボックスを組み合わせたら、収納力と使いやすさもアップしました。

あければ中身がひと目でわかるカトラリーケース

娘が小さかったころと比べて来客が減ったのでお客様用は処分。今は家族分と少しの予備だけに。ステンレスのスプーンとフォ ークは、おもに「ラッキーウッド」のもの。ラーメンなど、麺類を食べるときに使うれんげはタイの市場で購入。
娘が小さかったころと比べて来客が減ったのでお客様用は処分。今は家族分と少しの予備だけに。ステンレスのスプーンとフォークは、おもに「ラッキーウッド」のもの。ラーメンなど、麺類を食べるときに使うれんげはタイの市場で購入

続いて、同じく合板でカトラリーケースを製作。緻密なものをつくるのは夫のほうが得意なので、デザインは私、製作は夫。棚の色に合わせて「ワトコオイル」を塗りました。

それまでカトラリーは立てて収納していましたが、ホコリが気になるのと、より出し入れしやすいように、フタつきボックスに。あければ中身がひと目でわかります。手もちのカトラリーの数にぴったり合わせてつくったので、これ以上増やしたくないと思うようになりました。

最近は、家の各所のサイズを細かく測って、スマートフォンのメモアプリにメモ。急にDIYをやりたくなったり、外出先で棚に合いそうな収納アイテムを見つけたときにすぐ確認できるように備えています。