お金のピンチに陥ったとき、頼りになるのが自治体や民間の支援制度。ただし、いずれも自分で申請する必要があります。ここでは、ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんにお金の支援制度について教えてもらいました。いざというときにうまく使いこなすためにも、正しく理解しておきましょう!

悩む女性
支援制度をどの程度知っていますか?(※画像はイメージです)
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「子どもの教育」の制度

家計が苦しく、子どもの教育費が払えないときは自治体の制度をチェック! 親をがんで亡くした子どもなどを支援する、民間の奨学金制度もあります。

●親ががんで亡くなった

<アフラック小児がん経験者・がん遺児奨学金制度>

親をがんで亡くして経済的に困っている高校生と、当事者として小児がんを経験した高校生を支援する制度。高校などに在学中、月額2万円が給付されます。募集人数は、がん遺児140名、小児がん経験者30名。申請先は公益財団法人がんの子どもを守る会。

もらえる対象…世帯収入が上限の範囲内(4人家族で給与所得599万円など)で、成績優秀者または特定の分野で優れた実績があることなど。

●小・中学生の学用品や給食費の支払いが厳しい

<就学援助制度>

経済的に困窮している、小・中学生の子どもがいる家庭を自治体が支援する制度。学用品や教材、給食費、修学旅行費、クラブ活動費などを援助してくれます(項目や金額は自治体による)。学校で配られる資料に必要事項を記入して申請を。申請先は小・中学校。

支援項目と金額の目安

もらえる対象…各自治体で所得基準額を設定(横浜市の場合、4人家族で所得344万円以下など)。失業などによる家計急変も該当します。

「住まい」の支援制度

家の新築や購入、リフォームには、手厚い公的援助が受けられます。また、引っ越し費用の支払いが難しいときや、家が借りられないピンチにも、支援制度があります。事前に必ずチェック!

●省エネの新築物件を買いたい・リフォームしたい

<子育てエコホーム支援事業>

家族のイラスト

省エネ性能の高い住宅の新築・購入、省エネリフォームやエコ住宅設備の設置に国土交通省が補助金を支給。長期優良住宅の購入は100万円、リフォームや設備の設置は上限20万円など(子育て世帯、若者夫婦世帯は上限の引き上げあり)。申請先は住宅省エネポータル。

もらえる対象…エコホーム支援事業者と契約し、新築・購入の場合は、子育て世帯(18歳以下の子どもがいる世帯)または若者夫婦世帯。

●家が借りられない

<住宅セーフティネット制度>

セーフティネット住宅とは、低所得などさまざまな理由で家を借りづらい人を拒まない住宅として登録された賃貸住宅のこと。家賃や連帯保証料の補助が受けられます。「セーフティネット住宅情報提供システム」サイトで、全国の物件探しが可能。申請先は各物件管理者。

借りられる対象…子育て世帯、低所得世帯(月収15万8000円以下など)、高齢者世帯、ひとり親世帯など、物件ごとに異なります。

 

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