お酒が飲めないアメリカでのお花見

サクラ
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コロナ禍で花見ができない年もありましたが、毎年きれいな花を咲かせ、人々の心を癒やし続けるワシントン大学の桜。現地の日本人にとっては、ホームシックを和らげてくれる存在でもあります。では、地元の人はどのように花見をしているのでしょうか?

日本でお花見と言えば、早くから場所取りをして、弁当を広げ、あるいは店で買ってきた総菜やつまみ、団子を並べ、大人はお酒、子どもはジュース、とにもかくにも大勢が集まって宴が始まるイメージがあります。青空の下の桜見物もいいですが、ライトアップされた夜桜も風情たっぷり。お酒がどんどん進みますね。

アメリカの花見

一方、ここシアトルでは、広場の芝生にピクニックシートを広げている人もいますが、必ずしも飲食するわけでもなく…。しかも、手にするのはお酒ではなくスタバのラテ?

それもそのはず、アメリカでは公道や公共の場での飲酒は原則禁止。自宅のほかは、許可を取った飲食店やイベント会場などの敷地内に限られます。貸しきりにしたキャンプ場サイトなどプライベートな空間を除き、公園やビーチといった、人が自由に出入りできる屋外でのお酒は原則ご法度なのです。

というわけで、日本のような宴の要素はなく、純粋に桜を愛でるのがアメリカでのお花見スタイル。多くの人は、桜の下を通り、静かに歩きながら観賞するのみです。ただ、年々増えているのが、若者を中心とする撮影隊。本格カメラから自撮り棒まで、桜の下はポージングを決める人たちで大にぎわいです。中には、コスプレイヤーさながらの奇抜な衣装をまとった人も見かけます。

ワシントン大学キャンパスはこの時期、激混みのうえ、ゆっくりと長時間滞在して花見をするという雰囲気は皆無。趣を味わいたい日本人としては物たりないところではありますが、桜と大学の歴史的建物の取り合わせはシアトルならではの魅力。もちろん、日本にルーツを持つ桜の美しさは格別です。

インバウンド復活の日本で、円安の今、アメリカ人観光客が多く押し寄せていますが、日本のリアルなお花見文化を体験できたら、そのギャップに驚くかもしれませんね。広く認知される桜は立派な観光資源。アメリカ人が大感激すること間違いなしです。これから桜の見頃を迎える観光地で、ぜひ集客に活用して欲しいものです。