年齢を重ねると、年の離れた人と話すことが難しいなと感じることはありませんか? フランス文化研究者・翻訳家のペレ信子さんは、「フランスでは先輩・後輩の概念がないので、年が離れていてもすぐに友達になりますよ」と話します。そこで、フランス人の大人の女性の話し方について教えてくれました。

関連記事

日本とフランスで違う「バッグ」の持ち方。“両手を空ける”のは喜びを表せるようにするため
窓
フランス人は言いたいことを言うって本当?
すべての画像を見る(全4枚)

フランス人の話し方にはコツがあり?

自分が若かったとき、日本人の年上の女性と話すのはなんとなくこわくて面倒だった記憶があります。それがフランスに来てみると親子ほど歳の離れた親友がすぐにできました。

この差はどこからくるのかを考えてみると、自分が年上女性の立場になって、大いに見習いたいフランス流の話し方のコツが見えてきました。

相手を黙らせてしまう「説教」「忠告」は望まれない限り封印

美術館

子育てにしても仕事にしても50代以降になるとベテランの域ですし、若い人が困っているとなにか言いたくなってしまいます。私も子育てに関して、自分の子どもが中高生になると幼稚園児や小学生がいるお母さんたちにアドバイスしたくなることがありました。でもあるとき、話していて気持ちいいのは自分だけで、聞かされている方は興味ない表情でいることに気がついたのです。

それでふと、フランス人のお母さん達から「教育はこうしたほうがいい」とか「習い事は〇〇をすべき」のような一方的な忠告はされたことがないことに気がつきました。子どもと言ってもその個性は千差万別。お母さんの考えもそれぞれ違います。フランス人が個人主義だというのは他人に構わず勝手に生きていくという意味ではなくて、人の個性も自分の個性のように尊重するという意味だと私はこのことから理解しました。