『ドラえもん』声優になって、早19年。
――今年でドラえもんの声優として19年が経ち、いよいよ来年20周年ですね。これまでほかのインタビューでも答えているかと思いますが、お互いの最初の印象って覚えてらっしゃいますか?
すべての画像を見る(全9枚)関:なんか最初が特異な空間だったんですよね。というのも、最終オーディションだと聞かされていたんですけど、本当はその日が合格の発表会だった。だから、僕らはちょっと騙されていて(笑)。
合格しているとは知らずに、これからまだ試されるんだって思っていたから、微妙にお互いが緊張感のある雰囲気。当時14歳の木村君が放った、かの有名な「これからよろしく頼むよ」みたいなのもそこで生まれたもの。まぁ、多分変な緊張感からとった不思議な行動だったんでしょうね。
木村:ふはははは。そう! お互いがんばりましょう。みたいな、ね。
――当時、関さんは32歳でしたよね? 14歳の木村さんから「よろしく」と聞いたとき、正直どんな気持ちだったのか気になります。
関:「うん、そうだね」って(笑)。いや、木村君に関しては、素性があまりにも分からなくて、あとから、「14歳の中学生だよ」って聞いたので、あいさつしたそのときは何歳か分からなかった。
関:しかも見た目が、眼鏡とかしてて、今よりももっと老けた感じで。僕もよく分からず「あぁ…、よ、よろしくね」みたいな(笑)。これから試験だっていう風に聞かされていたので、余裕もなかったし。
木村:たしかに緊張感がありましたよね。一応、「みんなでかけ合いをやろう!」みたいなオーディションがあったと思うんですけど…。
関:いや、違う違う! バランスが見たいと言われて集められたんですけど、「1人ずつオーディションします」って言われて。いや、そもそも1人ずつやったら、もうバランスではないじゃないですか(笑)。
関:そうやって、1人ずつ会場に行くんですけど、行ったっきりで帰ってこないんですよ。で、いざ入ってみたら、そういう発表会の雰囲気になってて。「あなたが選ばれました。うしろにお立ちください」みたいな感じでしたね。
――そんな裏話があったんですね。そこから年月が経ち…。
関:そんな発表から早19年(笑)。すごいですよね。でも、木村君は出会ったときと印象は変わらないですよ。ずっと。ただ、いちばん変化が大きいタイミングでの約20年なので、随分大人になったなとは思いますね。
――お父さんみたいな気持ちで見守られていたということですか?
関:そんな感じでもなかった(笑)。子どものときから意外としっかりしてたんでね。でも、素人っぽい頃から見てたから、今じゃ立派な1人前の声優さんであり、俳優さんになった。すごいがんばってるなと思って、エネルギーをいただいてます。
木村:僕ももちろん、関さんのことをずっと尊敬する先輩として、ついていってる感じですね。先代の先輩方がドラえもんたちを26年間演じられてきた。気づけば、ちょっとずつその年数に近づいてきてますよね。
関:ホントだね! 年月だけで言えば、背中が見えてきたね。
【作品情報】
『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』
原作:藤子・F・不二雄/監督:今井一暁/脚本:内海照子/音楽:服部隆之
キャスト:ドラえもん:水田わさび、のび太:大原めぐみ、しずか:かかずゆみ、ジャイアン:木村昴、スネ夫:関智一 ほか