賃貸VS持ち家論争。アメリカ人は「持ち家住み替え派」?

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日本でよく議論されているのが、賃貸と持ち家、どちらがおトクなのか、ということ。アメリカで言えば、圧倒的に持ち家派が多数。これは、「家賃もローンも、月々同じ額を支払うなら、自分のものになるほうがいい」という考えもそうですが、日本とは違うアメリカならではの不動産事情が大きいのではないでしょうか。

まず、日本で賃貸が支持されている理由として、「独身、新婚、子育て、老後などライフステージによってニーズや価値観は変わるのに、高額な住宅ローンで持ち家を買うのはリスク」というものがあるかと思います。これは、終の棲家として持ち家を買うという発想があるからなのでしょう。

アメリカでは、持ち家派もよく引っ越しをしますが、「一生この家で暮らす」と思って持ち家を購入する人のほうが少数派かもしれません。

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その結果、多くの中古物件が市場に出回る一方、購入する人も多いので、日本ほど値崩れしにくく、長期的に見ればむしろ価格が上昇するという状況があります。新築、築浅にこだわることもなく、年季の入った中古物件を割安で買い、自分の好きなように時間をかけてリノベーションすることをいとわないアメリカ人のDIY気質も垣間見えます。

都会と地方ではまた状況が異なるかと思いますが、日本のような駅チカ人気も、アメリカでは当てはまらないかも? というのも、繁華街の近くは利便性が高くても、犯罪リスクも高まるから。アメリカでは、多少不便でも、大通りから離れた静かな環境が好まれるようです。

子育て世帯には学区も重要。公立校もすべて格づけサイトでスコアがつけられている今、スコアが高い学校の通学区域にある物件に人気が集まります。そうした物件は高値のため、必然的に高所得者が増えることになり、比較的治安がいいという側面もあります。

アメリカの賃貸暮らしでいい点は、物件によっては一般的なアパートでも、共用のプール、パーティルーム、バーベキュー設備、トレーニングジムなどがあること。日本では、いわゆるタワマンのような高級物件でないと、なかなか難しいですよね。そういう賃貸物件であれば、持ち家でなくてもおトク感は増しそうです。