40代で結婚したイラストレーターの曽根愛さん。夫との日常生活でふと感じるおかしみを、漫画とテキストで紹介してもらいます。今回は、夫婦共通の趣味「ラジオ」について。

最悪だった第一印象が一転したのは、ラジオのおかげ

夫との初めての出会いは、共通の知り合いの紹介でした。壁の隅っこにピッタリはりつくように座って、お地蔵さんのようにまったくなにもしゃべらず、私からいろいろと気づかいをして、話題を振ったことを今でも覚えています。
第一印象は最悪でしたが、それがまさか結婚することになるとは…。

と、いうのも、徐々に親しくなるなかでラジオ好きだと判明! 私も大のラジオリスナーで、当時、俳優・小沢昭一さんの番組「小沢昭一的こころ」が終わるときで、その話で盛り上がり、急速に距離が縮み、つき合うようになったのでした。

漫画1
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漫画2

夫も私もなんといってもTBSラジオが大好き!

今は亡き永六輔さんや、現役でがんばる大沢悠理さんや久米宏さん、ときに狂気を感じるほどの発想力の安住伸一郎アナウンサー、いつも楽しい「たまむすび」、JUNKシリーズの爆笑問題や、朝の顔になった伊集院光さんの番組のヘビーリスナーであります。

TBSラジオについては、愛が溢れすぎて書き出すと気持ち悪い感じになるので、この辺でやめておきます。

共通の趣味があると話題にことかかず、楽しいわ~と思っていましたが、問題は聴き方!!

夫は携帯用ラジオを常に手放さないのです。たまに「夫の体は付属品でラジオが本体なのでは?」と、思うときがあります(わかりにくい例えですみません)。

家事をするときも、外出するときも、いつもイヤホンが耳に突き刺さっていて、「ちょっとー」と呼びかけてもすぐに気づきません。

本人はラジオの世界に没頭していて楽しいのでしょうが、宅急便のピンポンにも、電話にも、私が出ないといけないので、こりゃなかなかのストレスです。

「私と◯◯、どっちが大事なの?」って聞く女性なんて、ドラマや小説のなかにしか存在しないよなーと思いますが「私とラジオ、どっちが大事なの?」って、アホな質問してみようかなぁ。

でも「ラジオ」って答えたらショックだから、やっぱり聞けないな~。

【曽根愛】

東京都在住。イラストレーターとして、おもに書籍、雑誌で活躍。コミックエッセイに『着ていく服が見つからない 洋服選び受難女子 応援コミックエッセイ』『実家モヤモヤ女子 応援コミックエッセイ そろそろ実家を離れたい』(ともにKADOKAWAメディアファクトリー)