●「学校に行きたくない」と言われたら

泣く子ども
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もし、お子さんが「学校に行きたくない」と言い出したら、親は取り乱したり過度に心配したりせず、「そっか、行きたくないんだ」とそのまま受け止めるようにしてください

理由を追及されたり、なじられたりするとばかり思っていたお子さんは驚き、自分の気持ちを親にそのまま受け止めてもらえたことに、まず安心感を覚えます。そこから、なぜ学校に行きたくないのか、自分から理由を話してくれるかもしれません。その際にうなずきながらきちんと傾聴し、共感してあげることで、「勉強に遅れちゃうし、やっぱり行こうかな」と、学校へ行く気持ちがおのずと復活することも、よくあります。

しかし、そもそも最重要なのは家庭生活です。それがしっかりできていないことが不登校の一因になっていることも多いのです。もし心当たりがあるなら、子どもが学校に行かないことは、むしろ「家庭生活の再構築」のチャンス! と捉えるべきと私は考えます。

前出の調査で、不登校になったきっかけの第3位に「生活リズムの乱れ」が挙げられています。不登校のお子さんは、昼夜逆転してしまったり、丸一日ゲームに没頭してしまったりして生活リズムが乱れがちです。

呼吸・体温調整など、生きるのに欠かせない機能を担う「からだの脳」がきちんと働かないために、学習がうまくいかない、友だちとの関係が構築できない、「おりこうさんの脳」(勉強やスポーツにかかわる部分)、「こころの脳」(想像力や判断力にかかわる部分)の問題が積み重なるケースが不登校の子どもには多く見られます。

であれば、家庭生活を見直すことでここにテコ入れすることが最重要課題です。まずは早起きから「からだの脳」をつくり直す。そして、お子さんに食器洗いや洗濯物の取り込みなど、家にいるからこそできる、家庭生活を円滑に回すための役割を割り振るのです。

これは決して、学校に行かないことへの「罰」ではありません。生活を回すことによって親は「助かった、ありがとう」と感謝の気持ちを伝えられます。

じつはこれが「自分は学校では多少の不適応があったけれども、少なくともこの家庭という社会の中では、重要な役割を持つ、役に立つ人間である」という自信につながります。そしていつの間にか家庭外の社会に対する不安や恐怖をもたなくなるのです。

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