●親が眠れば、子どもも変わる

睡眠
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2019年のOECD調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分。調査対象の30か国平均である8時間23分より1時間も短い、最下位という結果でした。また、総務省「社会生活基本調査」(2016年)によれば、日本人女性の睡眠時間は10年間にわたって男性よりも短く、世界最短と言えます。

お子さんが問題を抱えていると悩み、相談に来られる方に「親御さん、ちゃんと寝てる?」と聞くと、たいてい「毎日やることがたくさんあって、夜中の1時くらいになってしまう」という答えが返ってきます。

しかし、子どもや家庭のためにと、あれこれ手を尽くすばかりに寝不足になると、親御さんの脳に悪影響が及びます。ささいなことが気になり、子どもに過干渉になったり、自分を必要以上に責めたりします。不安が強くなり、そのせいでまた寝不足になる─という負の循環に陥ります。

その矛先は、子どもに向くことになります。「親の私がこれだけがんばっているんだから」と子どもに過度な期待を寄せ、思い通りにならなければ厳しく当たる親御さんが多くいらっしゃるのです。そんな自己犠牲など、子どもにとっては百害あって一利なし。今すぐやめてほしいと思います。

最近、私のところを訪れたお母さんが、「先生のアドバイスに従って寝るようにしたら、急に物事が明るく見えるようになってきた」と話してくれました。親がしっかり睡眠時間を確保し、自己肯定感が上がってポジティブになれば、子どもの認知も前向きに変わります。それによって家庭の雰囲気がよくなり、ますます子どもの脳育てによい環境をつくることができるのです。

 

成田先生の新刊『誤解だらけの子育て』(扶桑社新書)には、45もの“誤解”と、子どもを伸ばす正しい方法が掲載されています。

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