完全に拒否された夫。卒婚をもくろむ妻。

その後も、赴任先から戻ってくると、お酒を飲んでは景子さんに触れようとしてきた夫ですが、全力で拒否。夫が怒りだすこともあったといいます。

●すがる夫「どうして?ほかに好きな男でもいるの?」

「私が『もうしたくない』と言って拒否するようになってから数か月くらいしたとき。夫は少し怒ったような雰囲気で『どうして? ほかに好きな男でもできたの? 浮気してるならやめて』と私を責めてきました。私は淡々とあの夜の話をしながら『もうこれ以上近づいたらあなたをますます嫌いになりそう』と伝えました。俺はそんなに悪いことをしたのか? と、最後まで腑に落ちない表情をしていましたね」

そして、半年、一年、二年…と年月は流れ、夫も本当にもうできないんだと悟ったようです。

●妻が号泣しながら怒り狂った理由

泥酔
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泥酔して帰宅しても行為ができなくなった夫は、自分の気持ちのコントロールができなくなった様子。それで景子さんはどんどん冷めていくという悪循環。

「久しぶりに単身赴任先から帰ってきた夫が、また酔っていたんですけれど、ゲームに息子が課金していると知るや否や『くだらないことで散財するな』と言って、息子に手を上げたんです。それで、私のなかでプツンと糸が切れてしまいました」と景子さん。

「『酔っぱらってあなたはなにしてるの? 自分がしたことわかってる? 子どもに手を上げるなんて、最低。もう家に帰ってこないでよ』って私が泣きながらまくし立ててブチ切れたんです。酔ってて覚えてないとか言わせないようにその場で一筆書かせました」

さすがに夫も冷静になって大反省。それ以降は、酷い泥酔状態までつぶれることはなくなったそうですが、「もう夫とする気にはなれないでいるし、今後も一生したくない」と景子さんはいいます。

●後悔がないといえばウソになる

あの決定的な夜と今のレスの状況について聞いてみました。

「私は夫としたくないだけなんです。性欲がゼロってわけじゃないから、あぁ、もうこれで人生終わるのかと思うと寂しい気持ちはありますよ。でも別に外に男をつくろうとかは思いませんね。欲求よりも罪悪感のほうが上回ってしまう。夫も浮気をするタイプじゃないので、そういう点ではかわいそうだなと思うときもあるし、まったく後悔がないといえばウソになります。あのとき断固として拒否すればよかったし、とことん話し合えたらなにか変わったのかな。私は夫との話し合いすら避けて、時間が経ってしまいました。もうどうにもならないけれど、その後すぐに話し合いをすればよかったとも思います」

●レス妻の胸の内「きれいに離れたい」

勉強

夫への愛が完全に冷めてしまったのですか? と聞くと「今は子どもの手前、夫婦で仲よくしている雰囲気を取りつくろっていますが、本人に『あなたが嫌いになりました』って言わないことが私の最後の愛です」と話す景子さんには、じつは密かに計画している老後プランがあるとか。

「あと10年もすれば下の子も大学を出て社会人になります。そこが自分のなかで、ひとつの目標になっていますね。そこまでは、しっかり母親の役割を務めたいと思っています。その後は、他県に住んでいる親の介護をするとかなんか理由をつけて、この家を出ていくつもり。今は専業主婦だけど、再就職しやすいように、夫に内緒で資格試験の勉強にも取り組んでいます」

夫に本音を言って、これ以上傷つけたくないという気持ちもあるそう。

「バチバチして離婚するより、静かにサヨナラしてきれいに離れたいんです。子育てをしながら“卒婚”に向けて一人でもくもくと準備をしているんです。だからもうレスでどうとか、悩む段階は通り過ぎてしまいました。相手のせいにしている自分がずるいなって思うこともあるけれど、もう向こうの性欲に振り回されることに心底疲れ果ててしまったのです」

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