年齢を重ねたら、住まいや人間関係など、暮らしや生き方をシンプルにして自分らしく生きていきたい、と考えている人が増えています。ここでは、60代で埼玉と神奈川県・茅ヶ崎で2拠点生活を始め、自分らしい暮らしを送るデザイナーの山中とみこさん(69歳)に、オンとオフの切り替えを「楽しむためのもの」を伺いました。
オンとオフの切り替えには楽しむためのものも大切
すべての画像を見る(全8枚)山中さんが2拠点生活を始めて少したった頃、体の異変に気づいて病院へ行くと、初期の膀胱がんが発覚。手術後は、夫と茅ケ崎に来て、海辺を散歩したりと静かなお正月を過ごしたのだそう。
●膀胱がんになったことで、後悔のない暮らしをますます意識
「初めは2年のつもりでしたが、1回更新することに。月に1週間しか滞在しないのに、家賃を払い続けるのはぜいたくなこと。でも、このお金をあとで使うか、今の自分を元気づけるために使うかを考えて、後者を選びました」
あこがれで始めた2拠点生活でしたが、2年たって、自宅との住み分けもできるようになってきたと言います。
「趣味の中国茶やコーヒー豆の焙煎(ばいせん)など、自分のための時間を過ごしたり、友人を招いたり、仕事を忘れる楽しみの場として活用しています」
●60代で始めた中国茶は道具も魅力
4年前から、2か月に1回、中国茶のレッスンに。「お点前をするときは今でもドキドキ。日常にないほどよい緊張感が刺激に」。集めた道具は、扉を外した押し入れに並べてディスプレイ収納。
●コーヒーの焙煎は自宅ではできない楽しみ
ネット通販で購入した焙煎機は、煙が出るので自宅マンションでは使いづらかったもの。
「時間と気持ちに余裕があるときのお楽しみ。深煎りが好きなのですが、気を抜くと豆が焦げるので、真剣勝負です」