●周りを見ても年齢を問わず「青春」がある

30代の半ばからフラダンスを習いはじめた友人もいれば、40代になってからピアノ教室に行き始めて、「エリーゼのために」が弾けるようになった友人もいる。

同じく、40代から陶芸を習い始め、それを深めたくなって大学に通い始めた友もいる。彼の場合は、がむしゃらに働く20~30代を経て、自分の深めたいものが見つかったということなのだろう。人生に「遅い」はないのだと思った。金銭的にも20代より余裕がでてくる年代なので、やれることも増えてくるのだと思う。

ピアノ
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40代、50代でやっと自分がやりたいことに巡り会えたという人もいるし、若い頃やってみたかったことをできる時間とお金がやっとできたという人もいる。いやいや40代は子育てでそれどころじゃないよ…という方も多いだろうし、自分のために時間やお金を使える時期というのは人それぞれだろう。

「20代は子育てに奮闘し、ほとんど遊べなかったのよ」という友人は子どもたちが成長して一段落した40代から英会話を習い始めて、どんどん上達している。

冗談で「そろそろ海外に移住しようかなー」なんて言っているけど、実際TOEICの点数が年々上がっているようなので、楽しく努力を重ねているんだなあ。水を得た魚のように生き生きと過ごす友人たちを見ていると、仕事だけが人生じゃないと思うし、青春は年を重ねてもフォーエバーなのだと知る。

●新しいことへの好奇心はあるけれど…

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一方で、私は仕事と趣味の垣根がないのだった。職業は「作家・作詞家」なのだけれど、暮らしの全般が芸の肥やしで、こうして気づきが文章に昇華されていく。全てが地続きだ。

母も私と同じく、生活の延長にある趣味が多い。私が子どもの頃からずっとお菓子教室に通っているし、畑で季節の野菜を育てそれらを中心に今日の料理ができていく。無理に新しいことをしようとしないで、毎日の暮らしを彩る範囲での趣味というのも、いいなあと思う。それで、私も母も満足しているけれど、友人たちのチャレンジを見ていると羨ましくもある。ちょっとだけ無理…というか冒険をして、新しい扉を開けてみると、子どもの頃のようなドキドキや感動に出会えたりするのかなあ。スケボーは。うーん、絶対転んで怪我するだろうから、やっぱり次生まれ変わったらでいいかなあ。

 

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