●留学生達に学んだ「持たない暮らし」
すべての画像を見る(全5枚)いま日常をともにする留学生達は、じつにシンプルな生活です。彼らの毎日の持ち物は「教科書とボールペン1本と水」。複数のペン・ポストイット・クリップなどがパンパンに入った筆箱を持っている人は、今まで見たことがありません。
洋服も愛用のものを着回していることが多く、その服の上から1枚羽織ったり脱いだりして気温の変化に適応しているようです。もちろん、短期間で数週間のみ留学に来る学生も多いのでそれを考慮した量の荷物を持ってきているのかとは思いますが、基本的に「用がたりれば十分」という感覚です。
何人かの部屋をのぞかせてもらったことがありますが、机にパソコンが置いてあるのみで、とてもさっぱりしていました。また2週間留学していた60代のドイツ女性は、2週間分の荷物はリュック1つ。通学も同じリュックを使っていました。
●ものを少なくして手に入れたもの
日本に住んでいたときは、引越しの度にカーテンや机を変え、雑貨も装飾品も新調したくなるものでした。商品が豊富で、置ける場所がある上、来客もあるかもしれない…そんな環境でついついものが増えていったのだと思います。そしてその当時私の必需品は、寛ぎのクッションや凝りをほぐす枕でした。
でも…今の私に大切なものは「もの」よりも「時間」となりました。貴重な時間を有意義に過ごすことを考えたら、多くのものは必要なくなったのです。
私は、スペイン在住がきっかけでミニマリスト生活となりましたが、持ち物すべてを把握できる日常は、想像以上に「片づけなくては」「探さなくては」というストレスから解放されるものでした。そして、常に自分の持ち物すべてを持って移動できる状況は、心も軽く、時間とお金を最小限にして過ごせるようになりました。
大切なものは人それぞれで、環境によっても大きく変わるものです。私もこの先、どこでどう暮らすことになっても自分の力で移動できる程度の身軽さを持ち合わせておきながら、そのときどきで大切なことやものに目を向けていきたいです。