●想像と違かった日々の洋服

洋服
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日本からあれだけ吟味して持って来たのに、じつはあまり使わなかったものも、ちょこちょこありました。スペインの街は石畳が多くパンプスでは足裏がすぐに痛くなり、またおしゃれすぎるスカートは履く機会もありませんでした。

一方で、念のため入れておこうと思って入れた短パンが大活躍。ヒールはスニーカーに、スカートは短パンに。スペインに身を移して30数年ぶりに学生となると同時に、自分の身なりも変わっていきました。日本にいた頃はこの歳で短パンを履くことになるとは思ってもいませんでした…。結局日本では想像していなかったようなものを身につけることになるかと思うと、洋服に関しては日本からわざわざがんばって持ってこなくても、現地調達した方がよかった気がしています。

ただ、万が一私のように不必要なものを持って来てしまったとしても街中にはリサイクルショップも多く、不要な服やバッグも引き取りが可能。この1年間利用しなかったものはお店や知人に譲ることにしました。常に日本を出国したときの荷物量を意識し、なにかを購入したらなにかを整理することを心がけています。

●ときには日本の生活用品が恋しくなることも…

スペインのお店

大きなこだわりをなくしてスペインで買えるもので暮らしていこうと心がけているものの、家族から「日本からなんでも持っていくよ!」と言われると、やはりどうしても笑みがあふれてしまいます。使い慣れた医薬品、生活用品、好きな食べもの…欲を言えば、これもあれも。でも、食料品に関しては食べ終わってしまった後の虚しさを考えると、日本に帰国したときの楽しみにとっておきたい気もします。

それにしても上質で豊富な日本商品は世界でも有名です。なにか目新しいものを持っていると「それ日本から持って来たの?」とよく聞かれます。日本に旅行経験のある留学生仲間が「日本は買い物天国だよ!」とみんなの前で絶賛してくれたときは、母国を誇りに思えるひとときでした。

●スペイン生活1年、不便さも楽しめるように

スペイン建物

日本を出国して1年後に、スペイン国内で転居をしましたが、このときもなんとかスーツケース1つと大きなリュックサック1つで移動。「ものが持てない状況」をつくることで、本当に必要なものを考えながら生活するようになれました。また、スペインには洋服もスポーツ用品も聞き覚えのあるメーカーが多く、日本人にとってはなじみやすい環境かと思います。

文字通り「住めば都」。日本と比べると不便さを感じてしまうこともありますが、その不便さでさえも新たな発見だと思い楽しんでいます。

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