●何度も通うチェーン店も「行きつけの店」!

――飲食店で居心地よく過ごすには、少しステップが必要ということでしょうか?

稲田俊輔さん
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稲田:う~ん…寛容さかな、と思います。気持ちの余裕みたいなところを深くすればするほど楽しめる。だから、絶対やって欲しくないのが、「減点法」でお店を評価すること。加点法でおもしろいところを見つけていって欲しいんです。その方がずっと楽しいですから。

たとえば、レビューサイトで「しょっぱい」なんて書いてあったら、個性があるということの表れでもありますから、僕は興味持ちます。だって、しょっぱいものが好きな人にとっては、待ちに待ったいい店ということになるでしょう? 同じことを言っていても、評価は自分次第なわけです。

――自分が心地よく入れるために、「行きつけの店」を探す方も多いと思うのですが、どうやって探すのがいいのでしょうか?

稲田:世間の「行きつけの店」という概念に対するハードルが高い気がします。「マスター、久しぶり、いつもの」みたいな(笑)。そういうベタベタな店のことを、本の中では「カウンターが濃い店」と呼んでいますが、そういうことではなくて、週に何度も通うチェーンのコーヒー店だって行きつけであるし、お店の人とひと言も会話しない行きつけの店だってあります。

自分が抵抗なくいつでも行きたいときにいける店が行きつけだと思うので、それがたくさんあればいいと思います。お店の人とコミュニケーションしたければしてもいいし、もっとドライでもいい。自分にとってのまさに“サードプレイス”。居心地がよくて、日常と非日常の境目みたいなところで立ち寄れる場所は欲しいですね。

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