50代ともなると、病気や死、お金の問題などが珍しくありません。元祖・節約主婦として知られ、カウンセラー・エッセイストとして活躍する若松美穂さんは、「人とのつながりや周りの人との関係」を通して乗り越えてきたといいます。詳しく伺いました。
50代の元・節約主婦。家族の病気や死、お金の問題…「孤独とのつき合い方」
すべての画像を見る(全5枚)この年齢になると、様々なことがふいに襲いかかります。病気や死、お金の問題など、自分・身内・友達含め、常になにかが起こっている状態です。
だからこそ私は、人とのつながりや周りの人との関係を大切にしたいと思っています。もちろんだれとでも…ではなく、信頼できる人との関係を大切にしたいです。
理由は、いざというときに支えになるのが、だれかの経験談や声をかけてくれる友人・身内、近所の方たちだから。「また助けてもらった」「あの人がいてよかった」と感じる経験をこれまで何度もしています。
私の場合ありがたいことに、カウンセラーという仕事柄、お客様からたくさんのお話を伺います。と同時に、趣味も、人の話を聴くことや読むことなので、情報量は少なくない。
たとえ自分が持っていない情報でも、わからないことは教えてもらえばいい。
様々な職業や地域に知り合いがいるので、新たな知識を得ることができ、安心材料になることがあります。それがどれだけ、自分や家族を支えてくれることかと感じるのです。
●1:一人ではないという支え
私がお話を伺い、「お辛いだろう」と感じるのは、孤独感が増しているときです。
自分だけがこんな目に合っている・自分がいちばん大変・こんな思いをしている人はほかにいないと思うと、起きた出来事だけでも苦しいのに、さらに辛さが増すようなのです。
でも、身近なところに同じ状況の人はいなくとも、視界を広げると、絶対的に自分だけ…とばかりも言えません。
自分以上に大変な思いをしている人が、じつはたくさんいるということに気がつきます。
例としてよく挙げられるのは、「家族が亡くなったことのない家はない」ということ。祖先から代々、皆だれかを失っています。まったく同じ状況ではなくても、別れを経験しています。自分や家族の病気も同様です。そのことを言わないだけ・言いたくない・言えない状況ということもありますね。
自分が辛くなったとき、苦しいとき、悩んでいるとき、実際は自分だけではなく、ほかの人も乗り越えて来た、その中でも過ごしてきたとわかるだけで、立ち上がって前に進むもうと思えることが、私にはあります。
●2:マイナスの妄想にストップをかけられるという支え
なにかよくないことがあると、もっとひどい状況になるかもしれない・こうなったらどうしようと妄想がふくらむことがあります。
そして不安は雪ダルマ式にどんどん大きくなり、歯止めが効かなくなる。そうなると辛いですよね。いつもは心配性でなくても、状況によって、ついマイナスの方に考えてしまうことはあるものです。
でも、状況が絶対にマイナス方向に行くとも限らない。
そんなとき、周囲にプラスの発想ができる人や、いい方向に向かったことのある経験者がいるだけで、自分の気持ちを安心させたり、「きっと大丈夫」と自分を説得できる材料になります。