小さな家でも扉をつり下げタイプの引き込み戸にすると、広く感じられる家になります。理由は戸が壁の中にすっきり収まり、床の溝もないので、先の部屋までひとつながりに見えるから。6年前に地元の工務店で家を建て、LDKや水回りの建具に引き込み戸を採用した日刊住まいライターがレポートします。動線もスムーズで掃除もラク。メリットがいっぱいです。

LDKから玄関につながる引き込み戸
LDKから玄関につながる引き込み戸
すべての画像を見る(全7枚)

引き込み戸で回遊動線をよりスムーズに!

間取り図

筆者は夫と2歳娘の3人家族です。地元の工務店で、2LDKの小さな家を建てました。1階はリビングや水回りをまとめ、2階は寝室や子ども部屋を設けています。

筆者が建具に選んだのは引き込み戸。開き戸のように開閉するためのスペースが必要ないため、ムダのない間取りができました。

上の間取り図を見るとわかるように、玄関、LDK、水回りの出入り口(赤丸の部分)をすべて引き込み戸にしました。ですからすべて開放すると、あけた扉がジャマにならず、LDK、洗面所、玄関を、ぐるっと一周できる、回遊動線にもなります。

忙しい朝、出かける直前にお弁当やハンカチを忘れてしまっても、玄関からほかの部屋にスムーズに移動できるなど、快適かつ便利に生活できます。

 

建具が見えないつり下げタイプはすっきり、掃除もラク!

神谷コーポレーションの引き込み戸

わが家の引き込み戸は、神谷コーポレーションというメーカーのものを採用しました。建具の枠を見せない独自の構造と、壁や空間と一体になる洗練されたデザインが特徴の製品です。

ゆっくり開閉するソフトクローズ機能もあり、見た目も使い勝手も満足。扉は上からつり下げられており、全開にすると壁のなかにすっぽり収まります。

 

引き込み戸ならLDK側の壁も広く使える

通常の引き戸だと、設置する壁の一方の壁面に、スライドした扉を収めるスペースが必要です。そのため家具などを置きたくても、壁にぴったりつけることができません。

しかし、引き込み戸なら、扉は壁の中。扉横の壁の両面を自由に使うことができます。引き込み戸のあるLDK側の白い壁には、家具を置いたり、子どもの記念撮影の背景にしたり、余白を自由に使って楽しんでいます。

LDKが15畳ほどしかないわが家には、少しでも広く使える壁があるのはうれしいポイントです。

 

玄関側から見た引き込み戸

こちらの写真は、LDKの引き込み戸の裏側(玄関側から見たところ)です。裏側も枠や扉を収めるスペースがありません。

玄関に入って正面にあるため、少しでもきれいに見せたい部分ですが、すっきりした見た目が気に入っています。

 

つり下げの引き戸はレールがなくて掃除がラク

扉は上からつり下げられているため、床にレールがありません。レールにホコリがたまることがないので、普段の床掃除は掃除機をかけるだけですみます。