●ほかにもケアすべきことはたくさん
すべての画像を見る(全3枚)さて、次はトイレ問題です。外で暮らす猫は、家猫とは違いトイレの場所を1か所に決めておらず、なわばりのあちこちで排泄をするため、近隣住民の生活の迷惑にならないように糞尿の管理をするのも必須項目です。
ただ、これがなかなか難しく、猫用トイレをつくっても外の猫はそこで用をたさないことが多いので、ビニール袋とトングを手に朝晩枯葉・砂の上などをチェックするようにしています。
普段、家で原稿を書いて過ごす筆者にとって10分強×2回のこの散策は、ちょっとした運動不足解消にもなってくれていることだと思います。
ほかにも、猫によるトラブルが起こっていないかアンテナを立てておくこと、はたまた猫同士のトラブル(ケンカなど)が起こっていないかを気にする必要もあるでしょう。仮に、ケンカで大きなケガをしてしまった場合、診てもらえる動物病院を探して連れて行くことも覚悟しなくてはなりません。「ニ゛ャー!」という威嚇し合う声が聞こえてきたら、慌てて様子を見に行くこともしばしばです。
また、エリアによって“地域猫のルール”が変わってきたりもします。独自の判断で行動するのではなく、住民も、生命を受けた外の猫たちも地域環境のなかで快適に暮らせるように心を配ることこそが、地域猫管理者(主にお世話をする人)の役割であると考えると、責任は軽くありません。
●でも、いちばん大切なことは…
あと、これは家猫にもいえることですが、「一度関わると決めたからには最後までお世話をすること」でしょうか。家猫の平均寿命が約16歳なのに対し、外の猫は3~5歳となんとも短い猫生なんです。
ちなみに最近のミケ子は、香箱座り(手を体の下にしまった姿勢)やヘソ天(おなかを見せて寝転がる姿勢)を見せてくれるようになり、1年前と比べるとリラックスして過ごせているようでほんの少し微笑ましいです。
本来、猫は外で暮らすのに適した生き物ではありません。過酷な環境下で1日1日を生き抜く彼・彼女らの姿を見ると、1人励まされている新米・地域猫管理者の自分がいるのもたしかなのでした。
もし外で健康そうなさくら猫を見かけた場合、その猫を管理している方がいると思われるので「ごはんをあげなくちゃ!」と心配しすぎることなくソッとしておいていいそう。諸々の状況にもよりますが、ご参考まで。