この春、子どもが小学生になる方。もう学童保育は決めていますか?
帰宅時間によって延長ができた保育園と違い、小学校は専業主婦がいる家庭も、共働き家庭も、等しく同じ時間に子どもは帰ってきます。
「お受験ジャーナリスト」として、子どもの勉強や進学、放課後の過ごし方について多数の著作のある末木佐知さんに、学童保育の選び方について詳しく教えていただきました。
学童保育はどう選ぶ?働くお母さんに知っておいてほしいこと
新年度がはじまる4月まであと1か月。子育て中のビッグイベントのひとつに「小学生になる」ということがあります。
小学生になるというのは、初めての親から自立。幼稚園や保育園は、親が行き帰りも一緒に付き添いますが、小学生になって初めて1人で歩いていきます。思い出してみると、私も、初めてわが子がひとりで学校に向かう後ろ姿を見て、「成長したなぁ」とウルッときたものです。
自立への第一歩がうれしくも不安なのが母心。しかし、子どもはあっという間に慣れます。ひとりで歩くことが不安なんて最初の一瞬です。
●小学校入学目前!でも、もしかしたら学童はあるかもしれません
さて、まだ学童保育を決めていない人。今からでも間に合う可能性があります。
私はかつて学童保育「こどもみらい塾」を運営していましたが、新年度の募集開始を10月から始めてました。しかし、その頃はまだお母さんたちに実感がないらしく、あまりお申し込みは入りません。年が明けて仕事が落ち着いて、入学準備をし始めてから実感がわき、学童を探し出す傾向があるようです。
民間の学童保育は利益も追求しなくてはいけないので、「早くお申し込みをしないと席がなくなりますよ」と煽ってきたりします。しかし1人くらいなら、入れたりするのです。ですので、興味がある施設がすでに締めきりをうたっていても、「ダメ元」で尋ねてみてください。もしかしたら可能性があるかもしれません。
●学校に併設の学童と民間を両立することがおすすめ
働いているお母さんにとって、保育園から小学校というのはかなりのギャップがあります。今までは、保育園に預ければ、子どもは安全に過ごしてくれるという安心感があります。しかし小学生になると放課後はどのように過ごさせたらいいいのか、かなり悩ましい問題になってくるのです。
私も子どもが3歳くらいのときに、保育園の先輩ママから「学童保育は17時までしか預かってくれない」という現状を聞き、愕然としたものでした。だからこそ、私の場合は夜22時まで預かり習い事つきの、自分が欲しかった理想の学童をつくってしまったのですが…。
学童を運営し多数の親子を見ているなかで、どんな放課後の過ごし方がいいのかを見てきました。 私としては、学校併設の学童と、習い事などが併設されている民間の学童を両立して預けることをおすすめしています。なぜなら、学童保育は子どもにとって「飽きて」しまうもの。学年が上がってくると「もう行きたくない」と言い始めることが多いのです。とくに学校の学童でそのパターンが多かったです。
民間の学童は「習い事要素」があるので義務的に通ってきます。ただ、いずれはお友達と遊ぶフリーの時間も大切になってきます。そこで、併設がおすすめなのです。
●小1の壁からお受験の壁まで
さて学童といえば「小1の壁」という言葉をご存知でしょうか? 子どもが小学校に上がるときに、働き方を検討しなくていけないという現象です。
仕事の継続が難しくなり退職する方も増えます。しかし、近年は学童保育が充実してきたので、仕事は継続する方は増えてきましたが、働いた給料がそのまま学童や習い事の費用になってしまうという現状。だから共働きの場合は、自分の収入は子どもの預ける費用や、塾や習い事費用と、割りきる人も増えてきています。
小1の壁は、働きならが子育てをするワーママにとっての最初の大きな壁なのです。じつは、小学校にはいった後にも、こんな壁があります。
・「夏休みの壁」夏休みは子どもが一日中家にいるけれど、仕事が休みではありません。
・「都民の日の壁」10月1日に「都民の日」があるのですが、この日は、前日になって、「ママ、明日休みなんだけど」と子どもに言われてびっくりします。平日の場合、もちろん会社はあります。
・「振休の壁」運動会や文化祭など、月曜日にある振替休日。こちらは、あらかじめチェックしておく必要があります。あらかじめ有給とって一緒にディズニーランドなど行く人も。しかし、振休の時期はみんなも休みなので、思ったよりディズニーは混んでいます。
●そして最後は「受験の壁」
すべての壁を乗り越えて、「さて、子どもも自分で習いことや塾に行けるようになったから仕事復帰できるわ」と思った矢先。受験勉強しているわが子の姿を見て、応援しないと大変かも…と気づく瞬間です。
受験が迫ってきて精神的に不安定になってくる子ども。また、十分にサポートできていない自分に負い目を感じ、仕事との両立に不安を感じて「子どもが合格するまでひとまず仕事復帰はやめようかしら」という気持ちに陥るのが「お受験の壁」です。
さまざまな「壁」と戦いながら子育てと仕事の両立をしなくてはならないワーママの現状ですが、あらかじめ知っておくことで、焦る気持ちが減らせるのではと思います。