スムーズな「実家の片づけ」3ステップ
片づけに焦りは禁物。段階を踏んで、親の意欲をアップ。お互いに気分よく進められる片づけにしましょう。
●ステップ1:片づけの前に会話をする
すべての画像を見る(全3枚)片づけは、親の心を知ることから。そのためには親に寄り添う声がけが有効。
「優しい口調で、親が今困っていることや好きなこと、最近の様子などを質問し、そこから片づけの糸口を探して。もし、最近よくつまずいて困るのであれば『歩きやすいように片づけようね』、好きな趣味があるなら『趣味のスペースをつくろうよ』という具合です。ポジティブな未来が想像できる言葉がけで、片づけのモチベーションを刺激しましょう」
【たとえばこんな声がけ】
・最近、調子はどう?
・なにか困っていることはない?
・ごはん、食べられてる?
・好きなことはなに?
など、優しい口調で親に寄り添う声がけを。
●ステップ2:親がもっとも過ごす場所からスタート
家の中でいちばん長い時間を過ごすリビングが手をつけやすい場所です。
「まずは、使用頻度が高いものを聞いて、それを取り出しやすい場所に並べます。使用目的が同じものは、ペンとメモ帳といった具合にグループ分けすると使いやすさがアップします。また床置きのものはつまずきの原因にもなって危険なので、じゃまにならない場所に移動を」
もし、棚の中がものであふれていて、取捨選択が大変なら「掃除していい?」と伝え、中のものを全部取り出してみても。
「一度取り出すと、中のものが一気に確認できます。そこから使用頻度の高いものを聞きながら優先的に戻しましょう。あまり使わないものは別の場所に移すなどすれば、棚はすっきり。こうした作業の積み重ねにより、よくいる部屋の使い勝手や快適さがアップ。親自身が片づけの効用に気づき、やる気になるはずです」
●ステップ3:片づける場所を少しずつ広げていく
一か所が片づくと、自然とほかの部屋の状態に目が向くように。キッチンやクローゼットなど、片づけの範囲を広げます。
「たとえば、キッチンは食器、クローゼッは洋服など、親ならではのこだわりがたくさんある場所は慎重に。『これはどうする?』といった感じで、一つひとつ要・不要の判断をしながら、親子の会話を楽しんで。ものにまつわるエピソードを聞いてあげると、思い残しが消え、手放せるようになります」
【処分の判断がしやすいもの】
・服
サイズアウトしたもの、1~2年着ていないもの、家で洗えないようなおしゃれ着、転倒の危険もあるヒールのある靴やサンダルなど。
・食器類
重くて大きい皿、おしゃれすぎて活用する場がないフルーツ皿、ノベルティ、電子レンジで使えない皿、引き出物、複数ある箸など。
・本
読み返すことがなさそうな本、数か月たった週刊誌、1年以上たった月刊誌、工程が面倒な料理本、ホコリやカビまみれの本など。
『これからの暮らし by ESSE vol.05』では今回紹介した以外に、50代~60代の暮らし上手さんが「やめてラクになったこと」、老けない美容とファッション、どっちがおトク?、夏野菜おかずレシピなど、暮らしに役立つ情報が満載。