アメリカのコーヒーチェーン大手スターバックスが、2020年までに全世界の店舗で、環境の保全を目的にプラスチック製ストローの提供をやめると発表し、話題となりました。

スターバックス本社があるシアトルは、環境保護の取り組みが先進的な街として知られています。現地で暮らすライターのNorikoさんに、世界から注目される最新ストロー事情についてレポートしてもらいました。

プラスチックストロー廃止の動き。エコな街・シアトルではどう変わっている?

プラスチックストロー
スターバックスは世界の全店舗で、2020年までにプラスチック製ストローを全廃する方針を発表
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●マイクロプラスチック汚染の衝撃

「プラスチックが細かい粒子(マイクロプラスチック)となって、海中や海洋生物、土壌から、はたまた空気中まで、地球環境全体を汚染している」という調査報告が、世界各地から上がってきています。
2018年には初めて、人間の排泄物からマイクロプラスチックが見つかり、人体にも入り込んでいることが明らかになりました。

シアトルではすでに2008年から、店舗でのレジ袋有料化、発泡スチロール製の持ち帰り容器廃止など、全米の他都市に先駆けてさまざまな環境保護の取り組みを行ってきました。そして2018年7月、店舗でのプラスチック製ストローも、コンポスト(たい肥化)可能なもの以外提供を禁止する法律が世界で初めて施行。

地元企業であるスターバックスは、その直後、シアトルだけでなく世界の全店舗で、2020年までにプラスチック製ストローを全廃する方針を発表し、日本を含め各国で話題をさらいました。

プラスチックストロー

プラスチックゴミがあふれる米国で消費されるストローは、1日で約5億本と言われています。海岸には捨てられたストローゴミの山。海洋動物がそれを誤飲する痛ましい事故が起きています。

シアトルではフォークやスプーン、ナイフ、マドラーなど、いろんな使い捨てプラスチックゴミが法律により飲食店からなくなりましたが、使い捨てが前提だったプラスチック製ストローの代替品は、いったいなにになるのでしょうか?

●いろいろなストローのなかで選んだものは

スターバックスは、ストローの代わりに、カップに吸い口がついたキャップに変更することを発表しています。子育て経験がある方なら、乳幼児用マグの「スパウト」タイプをイメージすると、わかりやすいかもしれません。

コンポスト可能なストローも同時に提供するようですが、家庭でのたい肥化が難しく、水中分解されないため、海洋汚染問題の解決にならないとされています。きちんと回収して、たい肥化されない限り、分解に時間がかかれば、結局はストローとして、あるいはマイクロプラスチックとして地球上に存在し続けることになるでしょう。

プラスチックストロー

シアトルのエコなショップを覗いてみました。さすがシアトル、紙製、ステンレス製、そして竹製のものまでありました! 

プラスチック製ストローが100本セットで200円前後で買えることを考えれば、正直、どれも割高感は否めません。いちばん高かったのはガラス製で、1本で約800円。紙製は使い捨てになり、竹製は食洗器で洗えません。

ステンレス製は、洗って再利用でき、食洗器にも対応、ガラス製よりはリーズナブルで専用の洗浄用ブラシと収納袋がついています。ちょっと悩みましたが、環境教育的な意味も込めて、子どもへのギフトにステンレス製ストローを買ってみました。

●ステンレス製ストローの使い心地

プラスチックストロー

ステンレス製ストローは、真っすぐなものと、飲みやすいように先端に角度をつけているものがあります。私は洗いやすいかと思い、真っ直ぐなものを選びました。

さっそく息子の大好きなチョコレート・ドリンクに添えて、ステンレス製ストローをプレゼント。まず、チョコレート・シロップと牛乳を混ぜ合わせるマドラーとして活躍しました。そして肝心のストローの使い心地は? 「大好き」との評価をいただきました。

私も試してみましたが、断面はなめらかで、口に当たったときも違和感はありません。金属っぽい味もとくに感じませんでした。ひんやり感もあって、夏に冷たいドリンクを飲むにはちょうどいいかも? 

ガラスや竹と比べて、耐久性もありそうなので、カフェなど店舗で利用するにもいいのではないでしょうか。すでに導入しているところもあるようです。

ただ、金属アレルギーの場合などは使えないところがマイナスポイント。あくまで、選択肢のひとつですね。衛生面や洗浄の手間を考えると紙製の方がいいという人もいるでしょう。

まだまだ過渡期のエコ・ストローは、これからも進化を続け、便利になっていくのではないでしょうか。2019年注目のアイテムと見て間違いなさそうです。

【Norikoさん】 アメリカ・シアトル在住。現地の日系タウン誌編集長職を経てフリーランス・エディター/ライターとなり、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~』(海外書き人クラブ刊)、共著書に『ビックリ!!世界の小学生』(角川つばさ文庫)