どんどん暑さが増すこれからの季節に気をつけたいのが、ときには命まで脅かすこともある熱中症。救命救急医・犬飼公一先生に、熱中症になってしまったときの正しい処置の方法を教えてもらいました。
すべての画像を見る(全2枚)正しい熱中症対策は、どっち? 症状・処置編
熱中症のサインを感じたら、早めの処置が命を救う! 正しい方法を覚えておきましょう。
●熱中症のサインで正しいのは「めまいや立ちくらみ」vs「大量に汗がでる」
→汗をかいただけではわからないことも。めまいや立ちくらみに注意して
めまいや立ちくらみは熱中症の初期症状。体内に熱がこもって、脳への血流が減ることなどが原因です(以下の軽度Ⅰ)。速やかに涼しい場所へ移動させましょう!
・軽度Ⅰ:手足がしびれる、めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返りなど。涼しい場所で水分補給し様子見を。
・中等度II:吐き気や激しい頭痛、体がだるいなど。軽度Ⅰと同様の処置をしつつ、救急車の手配を。
・重度Ⅲ:意識がない、けいれん、呼びかけに応じないなど、命の危険性が。大至急、救急車の手配を。
●熱中症で倒れた人がいたら「足を高くして寝かせる」vs「頭を高くして寝かせる」
→体から早く熱を逃がすことが大切だから足を高くして寝かせて
足を10cmほど高くすることで、心臓への血流を促して血圧が上がり、脳への血流を改善する効果が期待できます。意識がないようであれば、迷わず救急車を呼びましょう。
●熱中症が疑われる人を見つけたら、まず「水で冷やす」vs「意識を確認する」
→意識の確認が第一。声をかけて反応があるかをまず確認
意識がはっきりしているか、声をかけて確認しましょう。呼びかけに応じないようであれば、速やかに救急車を呼び、複数人で両側から支えながら涼しい場所で休ませて。
●熱中症にかかったと思ったら「冷やすべきは額」vs「首や脇の下」
→大きな静脈がとおっている首や脇の下をまずは冷やして
保冷剤や冷たいペットボトルなどで首や脇の下、脚のつけ根など、体表近くの太い血管が流れている場所を冷やすと効果的です。とにかく体温を下げることが重要。