●この作品が本当に伝えたかったこととは…?

赤ちゃん
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ただ、この作品の伝えたかったのはきっと、別のことです。

それは、迷惑系YouTuberたちに向かって萱島が発した「中を見ろ」という言葉。上っ面だけを見てああだこうだ言う世の中。目の前にいる人の心の中をちゃんと見ているのか。「つながる」なんて形ばかりの言葉ではなく、心のシャッターを開けて人と接したい。人を信じること、期待することができなかった萱島の言葉だからこそ重みがあります。

そんな萱島が最後に向かったのは白浜のところ。隕石衝突に備えてみんなが避難する中、白浜は残る決意をします。最後まで、できるだけたくさんの人を助けたい。ヒーロー道を突き進む白浜のもとに向かい、一緒に「やれるだけやってみよう」と声をかけ合います。

絶望的な状況の中でもお互いを信じて希望を捨てないということは、ふたりにとってはなによりも明るい未来なのかもしれません。

もちろん、萱島と畑野のラストシーンも秀逸。畑野が抱いている赤ちゃん(小春と亘の子ども)の頭をそっと撫でてから、抱きしめ「おかげで居心地よくなったよ。今は」。

ここでキスしたりしないのが萱島(本当にこれがよかった)。温かいシーンに胸を打たれます。

萱島が言った「中を見ろ」という言葉。ドラマに対しても同じことが言えるのかもしれません。伝えたかったのは一体どんなことなのか。見た人がそれぞれ、出す答えは違っていいはずです。