●酵素梅のつくり方

梅の瓶
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今年も酵素梅を作ってみましょう。瓶やジップロックに完熟梅を包丁で刻んで、種も一緒に入れる。そして梅の重さの1倍のお砂糖を梅、砂糖、梅、砂糖の順に入れる。でも、これだと甘すぎて飲めないなあと思ったので、7割で作っている。そのかわり、かなりの完熟梅だけを使うし、毎日混ぜ混ぜする。様子を見たり味見をして、酸っぱすぎて砂糖が足りないなと思ったら足す。観察こそ大事ね。

梅を混ぜる

とにかく毎日素手で混ぜるのです。ぬか床と同じで、手の常在菌が正常な発酵を促してくれ、空気を入れてやることで腐敗を防ぐ。腐敗と発酵は紙一重だ。

夏みかんやビワでも作ったけど、こちらは発酵が遅いみたい。おいしく発酵させるために、私は落ちていた木の枝とか葉っぱも入れる。かなりワイルドな方法だよ。

黒糖で梅を漬ける

黒糖を使うとさらに美味しいかも! と思って作ってみたけれど、黒糖は発酵が非常に緩やか。白砂糖は翌日からぶくぶく。ハチミツはとてもクリアでべたべたしなくておいしい。てんさい糖もぶくぶく早い。砂糖が少なすぎたら苦くなるのかもしれなくて、でも梅によって違ったりもして、実験は続く。

梅を刻まないでそのまま漬けた青梅も発酵しはじめた。こちらの方が青梅だからか発酵がゆるやかで香りが最高! やっぱりシロップは青梅だな。

パーン!!!!

ぶしゅー!!!!

シャンパンを開けたときのように、爆発したやつがいた。

フタをした瓶

上まで入れすぎて、しかも蓋をしてしまっていたからやな。辺りが、びったびたのベトベト…。発酵するということは、呼吸しているということで、蓋をしめないように注意だ。ただ、梅の匂いにつられて小蝿が寄ってくるので、キッチンペーパーを二重にかけて輪ゴムでしっかりと止めておくこと。

●今年も梅仕事に熱中

「梅をたくさん収穫したんだけれど、久美子さんいりませんか?」

大阪の友人からメッセージが来た。

「私も今年20キロ以上漬けているけど、梅子としては世界中の梅を漬けたいので、ほしいです!」

送ってくれたのは、なんとも美しいぴかぴかの青梅だ。落下梅生活だとめったにお目にかかれない鮮度! すぐさま梅肉エキスを作った。少しして焼酎に漬け、さらに一週間寝かせて梅干しに。やはり梅肉エキスは真っ青がいい、梅酒は青がいい、そして梅干しは黄色がいいぞ! 熱中するあまり、気がつけば朝5時になっている日もあった…。

今年は、お隣さんに教えてもらって完熟の割れ梅で梅味噌も作ってみた。なんちゅうおいしいさ! 温かいご飯に載せて食べると何杯でもいける。あ、黄色を通り越してオレンジにさしかかったような梅はそのままかじって食べても杏のようで美味しい。または、梅ジャムにするのがおすすめ。スーパーで半額になった完熟梅が狙い時よ!

梅漬けに赤紫蘇を揉んで入れて、はあ、やっとこさ一年分の梅がしこめたぞー。あとは夏の天日干しだな。

 

本連載をまとめた書籍『暮らしっく』(扶桑社刊)でも、梅の話をたっぷり紹介しています。

暮らしっく

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