年齢を重ねると気になってくる「実家の片づけ」問題。まだ使えるものや思い出のもの、着物など、処分が難しいもの、心情的に捨てにくいものってありますよね。どう解決するのが正解なのか。ここでは、実家の片づけを体験したライフオーガナイザー・尾花美奈子さんの実例を教えてもらいました。

70代の母が介護施設へ。布団や衣類、「実家の片づけ」は困難を極めた

年齢を重ねていく両親を見て、また家族の病気や引っ越しなどをきっかけに「実家の片づけ」が気になっている方も多いのでは。…

実家を売却。ものがなにひとつない「ゼロの状態」に

最近なにかと話題になる「実家の片づけ」。私の場合は70代の母が病気によって急遽介護施設へ入所することになり、実家があき家になったことから始まりました。
それから母は施設で1年近くを過ごし、実家はそのままに。すべての季節で生活に必要なものを実家から移動させ終わった頃、固定資産税など維持費の問題から、実家を売却する方向になりました。
そのためには残っているものをすべて手放し、なにひとつないゼロの状態にしなくてはなりません。

8年前に父が他界して遺品整理をしたときには整理をしきれず残ってしまったものがあるのですが、その後も実家に母は住み続けましたので、母の生活上の安全に支障がなければ問題ないという姿勢でした。
けれど、実家を売却すると決めた今回はそうはいきません。

 

●片づけ困難だったのは「まだ使える日用品」「思い出の品」「着物」の3つ

1年かけて自分の力で片づけられるものは片づけてきましたが、なかなか手がつけられず困ってしまったのが3つ。

・まだ使える日用品
・アルバムや表彰楯といった思い出の品
・受け継ぐかどうか迷う着物

もし不要なものとして処分するとなると、罪悪感を抱いてしまうものばかりです。
では私がそういった心の問題をどうやって乗り越えてどのように対応したのか、今回は「まだ使える日用品」についてお伝えします。

 

●「まだ使えるけど使いきれない日用品」を捨てることへの罪悪感

まだ使えるけど使いきれない日用品
まだ使えるけど使いきれない日用品の一例
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実家には未使用やそれに近い生活日用品が数多くありました。例を挙げると

・頂きもののタオルやハンカチ
・買いだめしたトイレットペーパー
・ラップ
・チャックつきポリ袋
・キッチンスポンジ
・文房具のストック
・多すぎる傘
・使用頻度の低い長靴

など、「捨てるのはもったいない」「そのうち必ず使うから」という理由で溜まってしまったものです。

それらをわが家に持ち帰って使うにせよ収納に入りきる量ではなく、そもそも使いきれる量でもなく、かといってオーバー分を捨ててしまうのはためらわれます。
そこで、「それらを必要とする人へ譲ろう」と寄付をすることにしました。