年齢を重ねると悩みの1つになるのが「実家の片づけ」。「いつか使うかもしれない」「もったいない」などの理由でなかなか捨てられない親のものの片づけをどうすすめればいいのか、整理収納アドバイザーの小林志保さんに自身の実体験を含め教えてもらいました。

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ものを「捨てられない」親のクローゼット片づけのコツ

片づけのお仕事をしているなかで「親がものを捨てきれず実家にものがたまりすぎて心配しています」という悩みごとを聞くことがよくあります。どんどん高齢になっていくことを考えると、実家のものの整理は、両親が元気なうちから取り組んでほしいもの。

溢れた服
「もったいない」気持ちが優先して服が溢れてしまうことも…(※画像はイメージです)
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今から6年前にわが家では家のリフォーム工事をし、自分の持ち物とともに、同居している義母のものを一緒に整理することになりました。当時60代半ばの義母はものを手放さずため込むタイプ。とくに衣類に関しては収納場所も確保できず、部屋の中を服や小物が占領するほどの量を持っている状態でした。

今回はその経験を踏まえて親の「クローゼット整理」についてご紹介します。

●高齢の親が服を「手放せない」3つの理由

義母と一緒に衣類の整理をしながら気づいたことは、今は使っていないのにもかかわらず、「手放せない理由」が義母にはあるということ。

その理由の1つが、一緒に片づけているときに何度もきいた「これ、高かったのよね」という言葉。数年間着ていない衣類であっても購入した時の値段が高額だった場合、なかなか手放せないものになってしまいます。

そして2つ目の言葉が「これ、よく着ていたお気に入りだったのよ」。お気に入りの衣類は、今は使っていなくても「思い出のもの」に切り替わってしまうことがよくあります。この「お気に入りの服」が増えすぎると、クローゼットの中に入りきらない量となってしまうことになります。

さらに、何年も着ていない服や、汚れもなくきれいな状態のものは「いつか着るかも?」と、捨てるのはもったいないし、なんだか罪悪感もあります。そんな理由も服を大きく減らせない原因のひとつになっています。

●片づけのコツ1:「今」着る服と着ない服で収納場所を2つに分ける

片づけの基本は、持っているものをすべて出して分けていくことです。まず、毎日使うもの、ときどき(1年以内)使っているもの、数年間使っていないもの、汚れたり破れたりしているものに分類します。

図形

そして、上図の左側「毎日使う・ときどき使う」衣類は普段使うクローゼットの中へ収納し、右側の「数年間使っていない・手放せない」衣類は自宅の納戸の中にパイプを通してまったく別の場所へ納めることにしました。

日々の生活で使う衣類と使わないものと分けることで普段の生活はスッキリとした暮らしができるようになります。

●片づけのコツ2:使っていない衣類もアイテムごとに分けて収納

「今着ない服」をしまう収納場所が必要になるのですが、子どもが独立している実家の場合、あき部屋などを活用できることも多いと思います。

クローゼットのしまい方

わが家の場合は納戸にスペースがあったので、こちらにパイプを通して第2のクローゼットとしました。ここを「ほぼ使うことのない服」置き場としたのです。

ポイントは、着ない服でもアイテム別に収納すること。そうすることで、パッと見でなにがあるかわかり、「ちょっと着てみようかな?」と普段使いの衣類として復活できるものも出てきます。