50代前後になると、気になってくるのが「実家の片づけ」。親がなかなか片づけに納得してくれず、ケンカになってしまう…なんて人も多いのではないでしょうか。現在50代、築50年越えの団地でのひとり暮らしを楽しんでいるというブロガーのきんのさんも、80代の母親の部屋の片づけ真っ最中。実際に片づけをしてみて感じたことを教えてもらいました。
ものであふれた実家、一緒に片づけるならどこから始める?
すべての画像を見る(全6枚)50代、今までなんとなく考えていた親の介護問題が急に現実味を帯び始めました。
以前は年数回程度しか行かなかった実家も、介護の問題が浮上すると頻繁に訪問するか、外部のサービスを利用するか、いずれにしても今まで通りというわけにはいかなくなりました。
私の場合は親の介護度がそれほど高くなかったこともあり、訪問回数を増やして親の生活を支える選択をしました。
頻繁に訪問するようになると、部屋から廊下までもので溢れた環境、荷物が置かれてつまづきそうな廊下が「このまま放置しておいて本当に大丈夫?」と以前にも増して心配になりました。高齢ですり足歩行、なにもない場所でもよろける親の様子から、いつどこで転倒してもおかしくない状態がよくわかってきたからです。
「自分でやるからほっといて」と片づけを拒む親と「危険だから片づけたい」娘。少しでもリスクを減らしたくて、口げんかしつつも一緒に片づける方向に舵を切りました。
一緒に片づけ始めて気づいたこと、こうすればよかったと思ったことをまとめてみました。
まずはここから!「片づけやすい場所」3つ
親子であっても自分のものを片づけられるのは嫌なものです。まして捨てる前提での片づけは、ものがなくて困った親世代には受け入れ難いようです。
片づけに乗り気ではない場合は、無理に片づけると信頼関係にヒビが入りかねません。私の場合もかなり抵抗され、数年間説得を繰り返しましたが進展なく、ものが増えていくばかりでした。親が体力の衰えを自覚しはじめた頃、片づけのハードルが低い場所から片づけを開始しました。
●1:親が困っている場所から片づける
自分のテリトリーを勝手に荒らされるのは嫌と思っている親でも、歳を取るにつれて今までの生活に支障が出ている場所や暮らしにくさを感じるところがあるはずです。
親の要望を聞き取り、安全に使いやすく片づけることで「片づけると暮らしやすい」と片づけに肯定的な気持ちを持ってもらえるようにスタートすることが肝心です。
私の場合、片づけの最初は玄関でした。狭い玄関スペースにあけにくい扉の靴棚があり、奥になにが入っているのかもわかりません。靴棚の周辺には杖や手袋、園芸用品、マスクなどがごちゃごちゃ置かれていて使いずらい様子でした。
外出時に必要なものをパッと取り出しやすいようにすべてを見える化し、よくはく靴だけを玄関に置くことでスッキリ片づきました。親の困りごとの解消ついでの片づけなら協力も得やすく、「使いやすくなった」と高評価で次の片づけに繋がりました。
●2:ものが少ない場所から片づける
片づけに否定的な親世代には、比較的ものが少ない場所から手を付けるとお互いの疲労感も少なくスムーズです。
たとえば玄関やお風呂場はほかの部屋に比べてスペースも狭く、置いてあるものも少なめなので取りかかりやすい。高齢者の怪我リスクが高い場所でもあり、片づけの重要箇所です。今後はく予定のない古い靴、使っていないグッズが置かれていることも多く、それを処分するだけでもスッキリするはず。
片づけは案外簡単なんだと思ってもらえたら成功です。処分できなければ、とりあえず保管することにして別の場所に移動するだけでも一歩前進です。