70代のひとり暮らしシニアブロガー・紫苑さんは、月約5万円の年金をやりくりしながら、お金をかけなくても豊かな暮らしを実践されています。ここでは、紫苑さんの生活の工夫について紹介します。
月5万円の年金で豊かに暮らすやりくりと生活の工夫
すべての画像を見る(全16枚)30代で離婚し、子ども2人を女手ひとつで育てた紫苑さん。60代に入り、仕事が減って貯金をどんどんと崩すことになっても「不安になるだけだから、お金のことは考えないように」と先々のお金のことは見て見ぬふり。一戸建ての購入で貯金をほぼ使い果たし、国民年金だけでやりくりすることになり、いよいよ現実を直視。試行錯誤を繰り返した結果、今では月5万円の収入でやりくりできています。
【紫苑さんの1か月の支出リスト】
<収入>
国民年金 49,456円
<支出>
食費(米代を含む) 9,118円
水道光熱費 7,746円
通信費 7,560円
日用品費 1,000円
書籍代 1,250円
交通費 2,000円
そのほか 8,000円
合計 36,674円
貯蓄 12,782円
収支 0円
上記の数字は「これからの暮らし」vol.2(2022年5月発売)取材時点の情報です
まずは紫苑さんがお金と真剣に向き合うまでのヒストリーを詳しく伺いました。
<50歳の頃>
仕事に恵まれてタワマン暮らし。稼いでは使う日々
フリーランスのライターとしてバリバリ働き、家賃月23万円の都内のタワーマンション暮らし。収入は多いが、出ていくお金も多い生活。
<55歳の頃>
“着道楽”で着物にお金をつぎ込む
51歳で乳がんに。無事に回復後、「オシャレは元気なうちに」と着物に目覚める。着物、帯、小物を次々に購入し、お金と向き合う気は一切なし。
<60歳の頃>
仕事と収入が減り、タワマンから公団住宅へ
会社員なら定年を迎える年齢。仕事が減り始めて、この先の収入に不安を感じるように。タワマンから家賃の安い公団住宅に引っ越す。
<65歳の頃>
年金受給スタート。築45年の中古一戸建てを買って住居費0円に
収入が減っていくなか、家賃を払い続けることが負担に。貯金をはたいて中古一戸建てを購入。家賃負担はなくなったが、貯金もほとんどなくなる。
<67歳の頃>
人生で初めて真剣にお金と向き合う
コロナ禍で外出機会が減ったのを機に、支出を減らせないか、考えるように。年金で生活する工夫を考え始める。
食の工夫/安くて栄養のある“完全自炊”で月1万円
食費は月1万円という紫苑さん。その金額でやりくりするための工夫とは?
●豆腐は塩漬けにしておいしく使いきる
近所の豆腐屋さんの木綿豆腐は1丁が大きめ。半量は塩漬けにして保存。両面に塩小さじ1/2ずつふり、ペーパータオルで包んで冷蔵庫に1日おくだけ。「水分が抜けて大豆の味がギュッと濃縮。炒め物、煮物などに使います」
●ミネラルウォーターは買わずに、水道水を沸かして飲用に
水道水を沸かした白さ湯ゆを水筒に入れて、こまめに水分補給。「冷たいものをとらないことで体が冷えなくなりました。水道水でもしっかり沸騰させれば、カルキ臭が気にならなくなります」。外出時にも持参してカフェ代を節約。