人生100年時代。年齢を重ねたとき、どんな風に生きていきたいでしょうか。
「いくつになっても、どんなことにも挑戦できると思っています」と話すのは、60代のミニマリストでカナダ在住のブロガー・筆子さん。筆子さんの最新刊『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)より、筆子さんが考える70代、80代に向けた暮らし方についてご紹介します。
70代、80代に向けて、これからの暮らし方
今年64歳になる筆子さん。筆子さんが住むカナダの社会福祉制度では、65歳以上がシニアシチズン(高齢者)になるそう。筆子さんに、理想のシニアライフについて教えてもらいました。
●健康で自立した生活を送る
すべての画像を見る(全3枚)「高齢者になっても、できるだけ長く自立した生活を送りたい。これが私のいちばんの願いです」と話す筆子さん。
「今のところ私は、若い頃とそんなに変わったという自覚はありません。精神年齢はずっと30歳ぐらいだし、身体的に『年をとったな』と思うのは、老眼になったことだけです。もちろん、見た目は老けましたが、毎日少しずつ老けているので、鏡で自分の顔を見ても、浦島太郎のような衝撃はありません。
でも、どんなに今元気でも、老いも死も必ずやってきます。絶対やってくるのだから、その現実は潔く受け入れて、寿命が尽きるまで楽しく生きていきます。
2020年に新型コロナウイルスが流行ったとき、カナダでは高齢者施設でたくさんの犠牲者が出ました。高齢だから病気に弱いのは当然ですが、多くの施設でクラスターが発生したのです。政府が高齢者施設に十分な予算を使っておらず、人手不足で、しっかり手が回らなかったせいです。当時、毎日ニュースを見ていて、「施設には絶対行きたくない」と思いました。
一人でいるより、施設で暮らしたほうがいい面もたくさんあります。でも、私はずっと一人でいたい(夫はたぶん私より先に死にます)。そのために必要なのは健康です。50代も健康に気を配ってきましたが、60代、70代も健康第一で暮らしていきます」
●本当にやりたいことに時間とお金を費やす
年をとると若い頃のように体を動かせないし、病気になることも増えるので、「お先真っ暗だ」と考える人もいるかもしれません。しかし、その一方で、さまざまな制約や責任から自由になれる、と筆子さんは言います。
「今年90歳になる私の母はまだ元気ですが、同級生のなかには、両親とも見送った人が何人もいます。70代ともなれば、配偶者も見送っているかもしれません。そうすると、あとはすべて自分のための時間です。
せっかくの自由時間に、『周りに迷惑をかけないようにしつつ、のんびり余生を送ろう』と考えるのはあまりにもったいない。今こそ、やりたかったことに挑戦するチャンスではないでしょうか?
人によってやりたいことは違いますが、だれにだってあるはずです。若い頃は忙しすぎてできなかったこと、周りの目を気にしてチャレンジできなかったこと、一度やってみたけど挫折してそのままになっていることはないか考えてみてください。
60代、70代、いえ、そのあともやりたいことをするのに最適な年代です。
今でもわりと好きなことをしている私ですが、老後はもっと自由にやりたいことに時間とお金を使います。ブログの仕事も語学の趣味もずっと続けるでしょう。メインはフランス語ですが、英語のやり直しもしたいし、最近韓国語も始めました。
あなたのやりたいことはなんでしょうか? 50代のうちに理想の老後をイメージして、準備をしておくといいと思います」