●今、自分にできることを全力でがんばりたい
――お休みの日はあるのでしょうか?
白野:仕事のあいた時間や休日には、屋外に出て海氷や空を眺めてリフレッシュできたらいいのですが、南極の天気は変わりやすく、強風や視程が悪くなると安全のため外出を控えなければならず、基地主要部の建物からまったく出られなくなります。そうすると気持ちの切り替えがむずかしかったり、運動不足になったり、心身の調子を整えるのに気をつかいます。少し眠ったり、ほかの隊員とたわいのない話をしたり、できる範囲でリフレッシュできるように心がけています。
いろんな縁に恵まれて、南極に来ることができた、今南極で仕事ができていると思っています。ふとした瞬間に家族が恋しくなることもありますが、応援してくれている家族や周囲の方々のためにも、今自分にできることを全力でがんばろうと思います。
すべての画像を見る(全7枚)――まさに夢をかなえている最中の白野さん。日本に帰ってから楽しみにしていることはありますか?
白野:南極での生活は、日々勉強です。雪や海氷、美しい空に感動したかと思えば、基地の限られた資源で生活することに苦労したり、よいことも困ったことも毎日いろいろな発見があります。こんなに貴重な経験をさせてもらっているのですから、帰国後は機会があれば、家族をはじめ興味のある皆さんに、南極での生活や仕事のことを伝えていきたいと思います。また、私の留守中に苦労をかけた夫や寂しい思いをさせた子どもたちと旅行に行けたらいいなと思っています。おいしい料理と温泉でゆっくりできたらいいです。