●南極での白野さんの1日

ペンギンの群れ
昭和基地ではペンギンも見られました
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白野さんの南極での1日のスケジュールを教えてもらいました。

6:30 起床

7:00 朝食

7:40 ラジオ体操、設営業務ミーティング

8:00 隊長と予定確認の打ち合わせ

8:30 日本から届いているメールの処理や資料作成など

12:00 昼食

13:00 他部門の作業支援、観測現場へ取材撮影など

18:00 夕食

18:45 全体ミーティング

20:00 隊員とコーヒーやお菓子を囲んで団らん

0:00 就寝

――あらためて白野さんの南極でのお仕事内容について教えてください。

白野:今回私は、庶務・広報担当隊員として参加しています。南極地域観測隊は一つの村がまるごと出張するようなイメージで、研究者、技術者、機械、建築、調理、医療、登山の専門家など、各分野のプロフェッショナルから成ります。各々の職場で1つのプロジェクトを動かしていたようなパワフルな方が集まります。そのような頼もしいメンバーの一員として観測隊に参加できることは、今でも光栄です。

南極は過去・現在・未来の地球の環境を知るうえで科学研究において重要な場所です。日本が南極で観測を続けることは、国際貢献でもあり、大きなやりがいを感じながら業務に携わっています。

昭和基地

――実際に仕事をして、難しいと感じる作業や大変だったことはありますか。

白野:世話好きで他人のお手伝いは好きな方なのですが、初めての環境だったので、隊員のサポートがちゃんと務まるかどうか、初めは不安でした。ですが周囲からの協力もあり、ひとまず滑り出しは順調だと思います。

昭和基地に到着直後から始まった越冬のための物資輸送は、寒さや生活に慣れないなか、迅速かつ正確に受け取っていかなくてはならず、そのスピード感に慣れるのが大変でした。大きな物資が運び入れられ、整然と並んでいるのを見てホッとしました。昨年の越冬隊から定常的な観測や基地の維持・管理を引き継ぎ、これからやってくる極夜に向けて冬支度を行うなど、今は慌ただしい毎日を過ごしています。

しらせ
昭和基地主要部の建物と海氷上のしらせ

南極では限られたメンバーで仕事を進めるため、専門外の仕事でも協力してやっていかなくてはなけません。私はこれまで重機の運転経験はありませんでしたが、出張前にフォークリフト運転の資格を取りました。ある日、機械部門の隊員から私にフォークリフトで資材の運搬を行うように指示がありました。免許取りたての私に任せてくれた喜びと緊張のなか、他の隊員から適切で迅速な指示出しにより、無事に作業が終わったときには汗びっしょりでした。