食料品の価格上昇が続いていますが、優れた低価格商品を実現し続けているお店もあります。それは、「ローソンストア100」。24時間営業のコンビニ業態でありながらも、生鮮食品や日配食品(牛乳、乳製品、パンなど)、調味料など、スーパーマーケットに近い品揃えを実現、「献立応援コンビニへ。」というコンセプトで、現在、関東・京・近畿エリアに合計661店舗を展開しています。そんなローソンストア100の魅力的な商品を食文化研究家のスギアカツキさんにレポートしてもらいました。

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ローソンストア外観
豊富な食材がそろっています(ローソンストア100新宿住吉町店にて)
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安さを維持するローソンストア、「これ買い!」の商品

「ローソンストア100」といえば、大ヒット商品として記憶に新しいのが、100円おせち(2022年度約370万食販売)」と、ウインナ弁当からはじまった「だけ弁当シリーズ(累計320万食以上販売)」。市場の余剰を巧みに活用しながら、個性的で驚きのある商品を生み出し続けています。

そして今、その実力を発揮しているのが、値上げラッシュの中の「価格据え置き」です。一体どんな商品があるのか? そしてなぜ安さを維持できるのか「?」を紐解きながら、ローソンストア100の名品をご紹介します。

(1) 薄力小麦粉をはじめとした粉もの4種(各・税込108円)

粉もの
左から薄力小麦粉、お好み焼粉、たこ焼粉、てんぷら粉。4種合わせて、22年度は約33万食を販売

 食品値上げでとくに衝撃を受けているのは、「粉もの類」ではないでしょうか。ローソンストア100ではこれらの商品をまとめて同一メーカーに製造依頼をすることで原材料確保のスケールメリット、工場の計画的稼動、物流の効率化を実現。その結果としてすべて108円を維持し続けています。

(2) 湯捏仕込みの食パン 各種(各・税込108円)

食パン3種
湯捏仕込みの食パン(山型5枚切、角型6枚切、角型8枚切)製造は山崎製パン。22年度は約410万食を販売、前年対比120%(21年下期と22年下期で比較)

 毎日の朝ごはんで活躍する食パン類も、108円です。ローソンストア100では顧客の毎日の朝食を考えて、必要とされる商品を戦略的に価格維持しているのです。もともと食パンは、コンビニにおいて主力製品ではなく、スーパーでは特売などで販売数や価格が乱高下しがちなジャンル。
ローソンストア100では毎日安定して大量に販売することを計画しているため、この価格が実現。バリエーションとしては5種類(角型/4枚切・5枚切・6枚切・8枚切、山型/5枚切)のラインナップ。

(3) カット野菜 全14種(各・税込108円)

カット野菜
ミックスもやし、もやしニラ野菜炒め、キャベツ野菜炒め、たまねぎサラダ、カットレタス、ミックスサラダ、キャベツ千切り。22年度はカット野菜を総合1060万食を販売

続いては、大人気シリーズになっている「カット野菜類」。マーケティング調査によって顧客ニーズ(ローソンストア100では丸野菜よりカット野菜を好む)を把握し、戦略的に他店よりも大容量で安い値づけをしています。
実際に手に取ってみると、通常のカット野菜よりもたくさん入っているボリューム感がわかります。使われている野菜がサイズ不選別であることや、段ボールづめの工程をカットすることで人件費や箱代をセーブしています。