●高価なものがそれなりに良いものという考えは、古い
ぺンダントルーペは何年も探しました。薄いケースに収まる眼鏡は持っているけれど、スーパーでいちいちバッグから取り出すのが面倒です。ペンダントなら、うっかり置き忘れることもありません。でも、デザインがどうしても気に入らない。これだ、とやっと見つけたのがプエブコのものでした。大きなレンズで軽い。度数は＋2です。胸ポケットに右手で持って挿し込めるようにデザインされています。それまでに見たペンダントルーペは左手で持つようにデザインされていました。私にはそれが理解できなかったのです。ルーペは凸レンズなので表でも裏からも使えます。だから右手でも左手でもいい。右利きでも左利きでもいい。でも、上着は外ポケットも内ポケットも左胸です。プエブコのルーペはそういうことをわかってデザインした商品でした。しかも、880円です。
デパ地下で「あなたのルーペは持ち手が逆です」と自分のペンダントルーペを自慢げに見せた人がいました。太く重い金メッキのチェーンに金メッキのフレーム。持ち手が左側でした。自分の価値観に相当な自信があるのかもしれません。本当は右利きですが、ニコッと笑顔で「わたくしは左利きですから」と応酬しました。私にも心当たりがありますが、年を取ると自分が培ってきた経験と価値観に縛られることが多くなってきます。高価なものがそれなりに良いものという考えは、もう古いですね。
『これからの暮らし by ESSE vol.04』では今回紹介した以外に、50代～70代の暮らし達人が「買ってよかったもの、ずっと大切にしたいもの」や、老後のお金の不安まるごと解決、飛田和緒さんとめぐる「大人の湘南・鎌倉」、坂東眞理子さんの人生お悩み相談、糖質オフ2品献立、自律神経整え習慣など50代以上の暮らしに沿った情報が満載。
この特集で紹介したアイテムは、撮影時に各店舗で販売されていたアイテムです。本誌発売時には、仕入れ状況によって同じアイテムがない場合や、すでに販売終了していたり、価格が変更になる可能性もありますので、ご了承ください。価格は一部編集部調べです。
