●大人としてのターニングポイント
すべての画像を見る(全5枚)――俳優として第一線で活躍されているかと思いますが、役者として、どこかターニングポイントみたいなものはあったのでしょうか?
柄本:大学受験に失敗したときですかね。もう職業欄に俳優としか書けなくなったんだ、と思って。そこから意識が変わりました。
――職業=俳優、となると、気持ちの面で失敗ができない、というところでしょうか。
柄本:じつはそういうのはあんまりないんです。結局、やってることが役者を始めた14歳のころからとくに変わっていないような気がして。意識的に「社会人になるんだ」ということを決めたのは大学受験のときですけど、仕事へのやり方や姿勢は昔からあまり変わっていないかもしれないです。
――「役者一家」というのも影響されているんでしょうか。
柄本:それは大きい気がしますね。家族に相談ということは一度もしたことがないからわからないんですけど。20代前半のころに同年代と話していても、社会人という言葉は俳優にはあまり当てはまらないんだな、という感覚は一時期ありましたね。
俳優という「その人の人生を担ってやる」ということに対する考え方が違うというか、大人になるにつれてだんだん、分かりやすくきれいに分かれる。その人の「人生をやる」という意識の強さと、「もらった台本をやる」という意識の強さが分かれていておもしろいですよね。
――ちなみに、ご家族は柄本さんが出演されている作品は観たりされるんですか? 逆にお父様やお兄様が出ていらっしゃるものをチェックされたりとか。
柄本:家族仲はいいと思います。だからといって意識的にチェックはしないですけど…よく出ていますよね、あの人たち(笑)。だから、観るとだいたいいますね。ダメ出しみたいなことはあまりないんですけど、もしあるとしたら、親父からですね。兄ちゃんからはそういうのはないです。
――もし柄本家ならではの特別なルールなどあったらお聞きしたいです。
柄本:あまりないですけど、「映画はDVDで観たら映画じゃない」というぐらいですね。劇場で観ないと映画を観たとはならない、というのはあります。
●俳優は、ずっと続けていきたい
――お話を伺うと、若いときから大人っぽい考えをされていたかと思うのですが、年齢を重ねるにつれ、「こうなりたい」といった理想はあったりしますか?
柄本:どうなりたいんでしょう(笑)。自分でもわからないんですけど、今のところはまだお仕事はずっと続けていきたいですね。
――最後に、今年の目標みたいなものがあれば教えてください。
柄本:友達とコロナ期間中に「劇団年一」という劇団をつくりまして。YouTubeで岡田将生と賀来賢人、落合モトキと僕の4人でリモート芝居をやったんですけど、なにかやりたいですね。また何かできたらいいね、って言ってて、「こういうのはどうだろう」、「ああいうのはどうだろう」と言っては立ち消えては止まっている状況なんですよ。
でも、ひとつ、リモートでやった芝居はあるので、それをそのまま舞台に持っていけばいいだのことなんですけど、なにかしらの形にしたいな、と思っています。
【作品情報】
「君と世界が終わる日に 入門編 完全新作SP」
3月19日(日)夜10時30分~日本テレビ系日ドラ枠にて放送
出演:竹内涼真、柄本時生、泉里香、小宮璃央、横溝菜帆、トリンドル瑠奈 ほか
脚本:神田優 脚本監修:丑尾健太郎
音楽:Slavomir Kowalewski A-bee 會田茂一 ノグチリョウ
演出:菅原伸太郎
製作著作:日本テレビ
HJ ホールディングス
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