●チョコレート原料の多くが児童労働で生産されている
最後に、チョコレート生産の問題点についてまとめます。
チョコレートの主原料はカカオ豆です。原料になるまで栽培から収穫、発酵、乾燥といったたくさんの工程があり、多くの労働力を必要とするため、多くの子どもたちが重要な労働力とされている現実があります。
世界の子どもを児童労働から守るNGO「ACE(エース)」によると、子どもたちが担うのは
・刃渡りの大きなナタを使った農園の開墾や下草刈り
・収穫したカカオの実やカカオ豆の運搬
など。
子どもの力だけで持ち上げることができないほどの重い荷物を頭に載せて運搬することも多く、これは危険労働のひとつとみなされています。SDGsが掲げる「児童労働の禁止及び撲滅」という目標とチョコレートは、大きな繋がりがあるのです。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」のこと。「だれ一人取り残さない」、よりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。
2030年までに17のゴールと169のターゲットが掲げられており、「児童労働の禁止及び撲滅」は、目標8「働きがいも、経済成長も」の中にあるターゲット7にあります。
●日本で食べるチョコレートも77万人の子どもたちが…
じつは、日本は世界第3位のチョコレート消費国。輸入されるカカオ豆の約8割はアフリカのガーナ産で、現地では危険な労働を余儀なくされている18歳未満の児童労働者が77万人にも上ると報告されています。
日本にいる私たちが食べたり、だれかに贈ったりするチョコレートの多くがガーナの子どもたちの危険な労働によってできているのは、悲しいことですよね。
児童労働に配慮した原材料を使った食品は高価だし、値上げラッシュが続く今年のバレンタインデーはお金がかかりそうと思う方もいらっしゃるでしょう。でも、身近にあるお手軽価格のチョコレートが、じつはSDGs達成に取り組んでいたとは驚きです。
普段のおやつとしてなじみのある「ブラックサンダー」シリーズ。おいしく食べることで、持続可能な世界の実現につながるなんてちょっとうれしいですね。
文中の価格は参考価格です。
原材料・包装資材の価格高騰や物流コスト等の上昇により、有楽製菓株式会社は1月17日に価格改定を発表しました。
3月20日発売分からブラックサンダー各種は8.3%~16.7%に、ミニバー各種は3月20日発売分よりブラックサンダーミニバーが173グラムから158グラムに変更されるなど、内容量が変更となります。